逮捕しちゃったぞっ!:06
「かゆいところございませんかー?」
「……かゆいところはありません。でも、体がミシミシ言ってます」
「それは大変ですね! 舐めて治してあg」
「結構です」
場所は変わって、ここはお風呂。 今日、親父は出張接待だし、おふくろは友達と旅行で帰りは明日。兄貴はいつも終電で帰ってくるから、家でやりたい放題できるんだ。
ヤり倒して満足したオレたちは、風呂場に移動した。 んで、洗いっこ。
奈緒は湯船に浸かったまま、美容院のシャンプーのときのように首をこちらがわに垂れている。美容院と違うのは、顔に白いタオルをかけてないことだよね。 奈緒の目にシャンプーが入らないように気をつけながら、がしゃがしゃと頭を洗う。 時折キスを落としながらシャンプーをしていたオレに、ふと奈緒が視線をよこした。
「……あ、」
「どったのー? かゆいところあった?」
「ないない。千夏から伝言があったの忘れてたの」
……千夏?
「…………?」
「…………アンタの言うところの、『おかん』のことね」
「ああ! 笹川ね!!」
おかん呼びが定着していたせいで、おかんの下の名前忘れてたよ。 ……おかんにバレたら、間違いなくしばかれるな。
「……とにかく、千夏がね」
「うん、なんだい? ……あ、奈緒目瞑って。シャワーで流すから」
「はいはーい」
オレの言葉に従って目を閉じた奈緒の髪を、シャワーで洗い流す。 随分伸びたなー。すげえ綺麗。
「千夏がねー、」
「うんうん」
「網タイツ、もう使わないから思う存分破けって言ってたよー」
「…………あ」
「…………へ?」
「ああああああっ!!!」
奈緒の言葉で、オレはとんでもない過ちを犯したことに気がついた。 思わず絶叫すると、奈緒がびくりと震える。 それから、縁に預けていた頭を起こして、身を捻ってオレを見た。
そうだよ……! オレ、なんで網タイツ邪魔とか言って普通に脱がせたんだ……! 網タイツは破くものだよ!! 男のロマン的ななにかだよねっ!?
「忘れてた……!」
「……よく分かんないけど、網タイツ破きたかったの?」
「破きたかった……」
「じゃあ、あとで破く? あたしもう履かないから、破きたいならあげる」
「ちっがーうーっ!! 行為中に破くのがいいんだよ!」
「1人で破けばいいじゃん」
「意味ないでしょ!? 部屋で1人で網タイツびりびり破いてたら、ただの変態じゃん!!」
「……壱、変態じゃん」
「奈緒限定で変態なのっ!!」
オレとしたことが、やっちまった! 網タイツというエロオプションを邪魔もの扱いするなんて!!
「奈緒……もう1回網タイツ履いて? それ破いて挿れたいっ」
「ど変態」
しかも、ど変態扱いされてるしっ!!!
「オレの大バカヤロ――!!!」
「そんな、大げさな……」
大げさじゃない、絶対!!
呆れ眼の奈緒を横目に、オレはがっくりとうなだれた。
☆☆☆ くそ・・・バカップルめ(#・∀・)← 網タイツの存在をすっかり忘れてたのは、壱とわたしです(;^ω^) 壱×奈緒はお付き合いをした後の行為を1度も書いていなかったので、書けてよかったです! その割りに、シチュエーションがマニアックですが……。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!!
2010/11/16 黄色のマカロン:なこ
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