……キス、してる?
考えるより先に、手が動いていた。 オレの胸に飛び込んできた奈緒の背中に手を回して、ぎゅっと抱きしめる。
「・・・んっ、」
鼻にかかったような声。 こんな状況なのに、欲情する自分が嫌になる。 それだけで、熱を持つ俺の息子を、罵りたい。
奈緒の唇の隙間から、舌を差し込んで、咥内を犯す。 熱を持つ奈緒の舌を軽く甘噛みして、それから舌先を尖らせて舐め取った。 歯列をなぞって、上顎を刺激して……。 待ちわびた奈緒とのキスを、これでもかとばかりに堪能する。
「・・・っ、あん」
奈緒の口、あっつい。 奈緒口の端から、どちらのだかわからない涎が垂れた。 ……もったいない。
そう思って、惜しいけど、唇を離して、奈緒の口の端を舐め取った。
「……、ち」
「奈緒・・・」
うつろな目でオレを見る奈緒。 大きな目からは、涙がこぼれる。
「ほかの子に・・・手を、出さないで。あたしに、何をしてもいいから……」
「……っ、あ・・・」
奈緒は、ぼろぼろと涙をこぼしながら、唇を三日月形に上げた。
「壱が誰かに手を出すたびに、あたしは心が壊れていった」
「……ご、めん・・・なさい・・・」
今なら、分かる。 オレだって、奈緒が他の男に抱かれまくったら……壊れると思う。気が、狂っちゃうかもしれない。
「壊さないで。・・・壊して、いいから」
「な、お・・・」
矛盾しているようで、核心をつく奈緒の言葉。
「……いっぱい、愛してよ・・・壱」
そう言った奈緒は、もう一度オレの唇を塞いだ。
……ごめん、奈緒。 オレ……もう、無理。 我慢なんか、できないよ。
**********
「や、め・・・あっ、ひぁあっ・・・」
ゆさゆさと、腰を揺する。 パンパンという乾いた音が室内に響いた。
オレは、すでに2回。 奈緒は、たぶん6〜7回はイってる。
奈緒の顔は、涙と涎でびちょびちょだ。 うつろな目で、オレを見上げている。
「ま、ぁっ・・・あん、あっあっ……」
「奈緒・・・」
ひっきりなしにあえぎ声を上げている奈緒の声は、すでに掠れ気味だ。 快楽に飲まれて、もう言葉もまともに発せていない。
それでも……オレの欲は止まらない。
「いち、いちっ・・・や、ぁっ・・・また、イっちゃ・・・イク……イクから、ぁっ・・・!!」
「んっ・・・イって、いいよ……」
奈緒を突き上げて、Gスポットにカリを引っ掛ける。 両足を担いで、オレの肩に乗せると、奥に当たって、息子が弾けそうになる。
「あっ、ふかっ・・・いぁ、ひぅ・・・あっ、あっや――っ!!」
奈緒の足の指が、ぎゅって縮まった。 奈緒のナカが、伸縮して、ペニスが締め付けられるのが分かる。
オレまでもっていかれそうになったけど……ここは、堪えどころ。 なんとか、踏ん張ってみた。 ……えらいぞ、息子よ。
「う、や・・・ぁっ!?・・・めっ、イってる・・・からぁっ!!」
「んっ・・・。イってて、いいよ……」
「ちがっ、うご、くなあっ・・・!!」
絶頂を迎えて、敏感になりすぎている奈緒の体。 それでもオレは、容赦なく動く。 奈緒の太ももはぴくぴくと痙攣しているし、上半身はしなって、あばらが浮き彫りになっている。
「待って、あっあっ・・・だめっ、やだあっ・・・」
「んっ。気持ちい?」
「気持ちい、からっ・・・も、死んじゃ、・・・やあっ、ひゃああっ!!」
「もうちょっと、・・・」
涙で濡れた顔を手のひらで覆い隠す、奈緒。 顔、見たい……。 オレは、奈緒の手を剥ぎ取って、ベッドに縫いつけた。
奈緒は、わんわん泣きながら、嬌声を上げる。 もう、喘ぎ声か泣き声かも分かんない。 悲鳴みたいな声を上げながら、オレをぎゅうぎゅうって締め付けてくる。
「やだっ、やぁっ・・・も、無理・・・ムリぃっ!」
「奈緒、」
「壱・・・壱、好き・・・いっちゃん、・・・いっちゃんっ……」
泣きながら、喘ぎながら……。 オレの名前を呼ぶ奈緒が愛おしい。 だから、もっと突き上げて、名前を呼ばせたいけど……残念。オレも、そろそろ限界。
「イく、よ・・・奈緒っ……」
「あっ、ぁっ、・・・あ、たしも・・・また、イっちゃ……」
「ん。……一緒に、ね?」
「あぁああっ!も、いっ・・・!!」
腰を掴んで、深く深く穿つ。 奈緒は、白い首をさらして、膣を伸縮させた。
「あ、奈緒・・・っ」
オレも、奈緒の名前を呼びながら、ゴムに精を放つ。 ……でも、反応がない。
「な、お・・・?」
……あ、トンじゃってる。
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