「ふ、うええ・・・」
……今日は、結構もったほうだよね。
奈緒の腹部に回した腕を、きゅっと締める。 奈緒は、はあはあと荒い呼吸をしながらも、その手に自分の腕を絡ませた。
「奈緒・・・大丈夫?」
立て続けに2回イったし、上に乗らせてガンガン突いたから……。 いつもより、奈緒の疲労も激しいと思う。
「だい、じょう・・・ぶ、」
ほうっと息を吐きながら、奈緒が呟いた。 オレは奈緒の頬にちゅっと唇を寄せてから、ちゅぽんって息子を奈緒のナカから抜き取った。 そして、ポケットティッシュでゴムを包んで、ぽいって捨てる。
「ふ、あ・・・」
「奈緒、声エロすぎんの!」
抜いた瞬間鼻にかかった甘い声を漏らす奈緒。 そんなんだから、教生にも好かれるんだから。
……そ、そうだ! 教生のこと忘れてた!!
「……な、奈緒?」
「……ん?」
まだ余韻に浸っているのか、目をとろんとさせて奈緒が振り向いた。 か、かわいいっ!!
その顔をもっと見たくて、オレに背を向けている奈緒をひっくり返す。 んで、向き合うようにして自分の膝の上に乗せて、奈緒の両頬に手を添えた。
目元が赤く染まってて、涙で目は潤んでる。 んで、髪の毛もちょっとくしゃってなってて……。 胸元は、オレがつけまくった痕でちょっと気持ち悪いことになっていた。
「かわいっ!」
思わず言葉にすると、奈緒の耳が真っ赤に染まる。
「……っ、」
「わー、可愛いっ!!」
普通ならここでキス・・・なんだけど。 オレにその資格はないから……。
奈緒のシャツのボタンを留めながら、ちゅって頬にキスをした。
「……で、なあに?」
と、奈緒が首をかしげながら問いかける。 …………そ、そうだ!また忘れてた!!
「教生!」
「・・・え?」
なんのこと?と言いたげな奈緒を、キッと睨みつける。
「教育実習生!あいつと、食事行くんだろ!?」
「え・・・?い、行かないけど…?」
「嘘だ!」
「嘘じゃないよ!……あたし、壱が入ってきたとき断ってなかったっけ?」
奈緒が、ちょっと眉を寄せて言った。 え、えー?そうだったっけ?
『ね、1回だけでいいんだ!食事、行こうよ?』
『い、いえ・・・でも、』
……あ。
漸く思い出した。 そういえば、奈緒困ってたわ。
奈緒の手が掴まれてて、それにすげえイライラしちゃって……。 すっかり、忘れてた。
「……思い出した?」
「思い出した。……あれ?じゃあ、オレなんで奈緒を無理やりヤったの?」
「……知らないよ」
呆れたように笑う奈緒。 ……あ、あれー?
「そもそも、なんで奈緒が教生と食事行くからって、オレがイライラするの?」
「……自分で、考えて」
奈緒は目を細めて、にこって笑った。 え、えー? なんでえ?
「あ、採点・・・しなきゃね?」
「……そーだね」
と、悩んでいるオレに向かって、奈緒が言う。 ……採点、か。
「いいよ、今回は。……無理やり、ヤったし。0点になんなきゃ、いいもん……」
0点はやだよ? でも……今回減点は仕方ないと思うし。 オレ、奈緒が教生と会話してんの邪魔したし、奈緒を待っていたあずみちゃんにも申し訳ないことした。 それに、無理やり脱がせて食べちゃったし。
そう思って、ふうって息をつくと、奈緒が口を開く。
「85点」
「な、なんでー!?」
またもや叩き出された、驚愕の点数。 意味わかんない!
「ま、いろいろあるんですよ」
「いろいろって何!?」
なんで無理やりヤって、得点上がるんだよ!
……そっか。やっぱり奈緒は、
「エムではないよ?」
「…………」
だから、相変わらずタイミングよすぎだってば!
「奈緒・・・採点基準教えてってば……」
「自分で考えろ」
奈緒はそう言って口角を上げて……オレの頬にちゅって唇を落とした。
キスされたところが、カアって熱くなる。
「な、な・・・!」
「5時間目、終わるよ?行こ?」
「う、うん…」
今まで、もっとすごいことはヤってたんだけど……。 はじめて奈緒からされた「ほっぺにちゅー」が、なぜかすっごく嬉しくて、恥ずかしい。
「奈緒・・・優しく抱いたら0点とかやだよー?」
「優しくしてくれたら0点にはなんないって」
「だって意味分かんないもん……。0点になりたくないよ・・・」
「それは壱次第」
奈緒はにっこり笑って、持ち物を手に取った。 それに倣ってオレも荷物をまとめた瞬間、5時間目終了のチャイムが鳴る。
「あーあ・・・紳くん怒ってるよなあ……」
そういえば、紳くん置いてきちゃった。 ……絶対怒ってる。
そう思ってはあっと息をつくと、奈緒が呆れたように笑った。
「大丈夫だよ。あずみ置いて来たんでしょ?」
「え・・・?……あ、そっか!」
「アンタいなくても全然大丈夫だと思うよ?むしろ、ラッキーなんじゃない?」
「そ、それはひどいよ……」
確かにそうかもしれないけど! でも、はっきり言われると切ない気持ちでいっぱいだよ!!
「と、とにかく!」
オレは、話を変えたいの半分で、奈緒に指を突き立てた。
「訳分かんない理由で0点にしないでよ!?」
「だから・・・壱次第だってば」
(誰も抱いてないのが、すごく嬉しかったの。あと・・・嫉妬してくれたのも、嬉しかったんだよ)
test 3 ⇒ End
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