十万打/未来の夢主と剣城も来襲
※夢主と剣城の子供、未来夢主と剣城が出ています。ご注意
これの続き






「やー、今日も平和ですね名前さんー」
「そうだねえ剣城ー」
「はっはっはっは」
「あはははははは」


「「………何で来たの?」」
「暇潰し!」


にかあ、と笑顔を浮かべたパラレルワールドの我が息子に対し、揃って上げた絶叫が雷門のサッカー棟を揺らした。


**


「おお、トラブルメーカーじゃん。久しぶりだな京也」
「典人さんちっこいね」
「お前に言われたくねえ!」


何故倉間は馴染んでいるんだろう。「あ、京也だー!」信助もどうして馴染んでいるんだろう。「京也、こっち来て俺達とサッカーやろうよー!」天馬君なんて完全に普段通りだ。「剣城の遺伝子継いでんのにちっこいなあ京也」「うるせー!これから伸びるんだよ」三国さん始め、三年生も二年生も優しい目で京也と一年生を見守っていて……って、いや、なんで!?どうしてこうなった!そもそも本当に京也が私と剣城の、こど…も…なのか、知らないし…?ねえ剣城!?そうだよね!?ね!?


「でも微妙に俺と名前さんの面影ありますよね」
「ああああああ言うんじゃなああああああい!」
「もうむしろ開き直って認めてみましょうよ」
「な、なんで剣城楽しそうなの…」
「普通に俺は嬉しいですよ?息子ってことは名前さんは俺と将来、」
「恥ずかしいから!恥ずかしくて死ぬから言わないで!」
「んー、この時の私ってまだシャイだったのねー」


「「……えっ?」」


「ハロー、私とそれにまだ中学生の京介!」



***


声も上げずに名前さんは卒倒した。咄嗟にそれを受け止めるのは普段だったら出来ただろう。どさっ、という音が響いたが俺はそれに顔を向けられなかった。いや、だって……俺だって叶うのなら意識を即座に手放したい。


「うーわ、この頃の京介かっわいい!ああツンツンしてて可愛いよ京介京介!」
「ひ、っ……え、あ、名前、さん?」
「そうだよそうだよ!私よ名前!ああああもう京介ったらー!」
「ふむぐっ!?」


――手を広げた大きな名前さん(本人曰く、だが)はジャンプして俺に飛びついてきた。叫び声と共に衝撃。成人女性の全力のアタックを中学生男子が受け止められるはずもなくそのままごろごろと転がる俺。ぎゅむぎゅむと押し付けられる胸に高揚するどころか息苦しくてとりあえず離れたい。ほ、ほんとうにこの人は名前さん…なのか!?








「………悪いな、本当にそうなんだよ」


ほら離れろ、と低い声が響いて腕の拘束が解かれた。ちぇー、と子供っぽく唸るのは少しも変わらない名前さんの声。――――恐る恐る、ゆっくりと頭上を見上げた。いや、まさか、本当に、そんな、……ああ名前さん、俺あなたが卒倒した理由がよく分かりました。これは本当にキャパーオーバー。ぐらりと世界が反転して、目の前が真っ白に染まった瞬間俺は意識を手放した。




キャパシティオーバー

(未来の自分と好きな人が目の前に現れるなんて)
(そんなもの気を失うぐらい驚くに決まってる)

(2013/10/21)

十万打企画より、姫苺様のリクエストで八万打の番外の派生でした!
かなり悩んだんですが、未来のまいうぇい主+剣城にしてみました。無印同様未来の姿が公式で出たりしそうだな、とか思っているのでぼんやりとしたものになってしまいましたが、私も未来の自分がいきなり現れたらブッ倒れます。というお話でした。
こういった話はめったに書かないので本当に新鮮なお題でした。ご参加ありがとうございました!ささやかですが短かった上に収集つかなくなりそうだったのでカットした小ネタです。


「ほら昔の俺に謝れ名前」
「京介、昔の京介倒れた」
「お前が胸押し付けたりするから!」
「えっ嫉妬?」
「違うっての!や、違わないかもしれないけど、違う!」
「ああうん分かってる、窒息?」
「………ああもう、それでいいです、それで」
「敬語出てるよ京介ー」





「きょっ、京也!あ、あれ、あれ!」
「あれ?まったく、典人さんは未来も過去も騒々し―――ッ、母さんと父さん!?」
「おいあれ名前と剣城かよ!?」
「あ、典人だ!小さい典人だ!やだ小さい!」
「うるせえ!名前だなお前絶対!」
「なにしに来たんだよ母さん」
「遊びに来たの。ほらフェイとワンダバがこの間ここに京也を連れてきたって聞いたから」
「だからって普通来る?ほら案の定小さい母さんと父さん卒倒してる」
「大丈夫よ京也、介抱はきっと典人がしてくれるから」
「おい勝手に押し付けんな」
「お願いしてもいいですか、倉間先輩」
「更にデカくなったお前にお願いとか言われると断れねえよ剣城………」