五万打企画/誕生日



「………はあ」
「苗字先輩が溜め息なんて珍しいですね?」
「まあねー……」


葵ちゃんがお疲れ様です、と言ってタオルのカゴを抱えたまま私の横を通り過ぎて行く。ああ、あんなに可愛い葵ちゃんを見ても気分が浮上しないなんて!「……はぁ」もう一つ、溜め息が漏れる。これがドリンク作りでなくて本当に良かった。溜め息吐きながらドリンクなんて作ったら不味くなるに決まってる。もう一つ溜め息を吐きそうになって―――幸せが逃げていくと思い踏み止まる。口の中で吐き出す予定だった空気は飲み込んでおく。


「あーあー……」


気分が浮上しない理由。それは明日が私の誕生日だということなのだ。

そう、私は自分の誕生日が嫌い。一つ年を重ねる事に毎年、トラウマとでも呼ぶべき嫌な記憶が掘り起こされるのだ。毎年一人きりで過ごす誕生日が私は大嫌いで――――というシリアスな理由などではない。第一トラウマになるような経験と言えば、年末の大掃除で飛翔するGの名を抱く黒いアイツとご対面し、晒していた素足に降り立たれたぐらいだ。あっ、嫌な思い出掘り起こした脳内のバカ野郎。「ううっ」全身に鳥肌が立つ。Gは今こそ殺虫スプレーで即殺出来るし触れたら即座に洗うが、当時刻み込まれた不快感は数年経った今でも消える事はない。

そうだ、何を考えていたんだったっけ?あー……えーと……そうだ、誕生日だ!いやー…モテる女とは辛いもので、って「痛い!」どこからか振ってきた空き缶が頭に直撃し、思わず頭を抑えた。頭上を見上げるとあざ笑うかのような明らかに目のニヤついたカラス。イラっとして空き缶を握り潰しカラスにリリース。蹴り飛ばした空き缶は見事に命中する事は無かったが、カラスの留まっている木の枝に命中。ばさばさと飛び立っていくカラス。意図的な何かを感じたのは絶対に私だけじゃないよね?


「………はあ」


何だか疲れを感じて、汚れのほぼ落ちたシミ付きタオルを持ち上げた。そう、―――誘われたのだ。シミ抜きを再開しながら昨日の事を思い出す。


**


帰り道、もうすぐ家に辿り着くというところでいつもの角を曲がると、いつもとまったく違う人物と遭遇した。その時私は浮かれていたので軽くスキップなんかしちゃってて、鞄を振り回していたのだ。勿論周囲には誰も居なかった。ええ、これでも健全な中学二年生ですし?誕生日に浮かれてたって良いじゃない!そんなわけで「ふっふふーん!」得意気に角を曲がると、絶対にぶつかってはいけない人にぶつかったのである。


「ひゃうい!?」
「なっ」


どさり、と人影が持っていた荷物が地面に落ちる。バランスを必死で保つのに精一杯の私を横目に、それほどバランスを崩されなかったその人が髪をかきあげながら私を少し睨んだ。あ、いや見ただけか。相変わらず目つき悪いなあ


「……ったく、上機嫌だなァおい」
「え、ちょ、わ、うわああああ!?……っとっと…………明王兄さん!?」


上機嫌そうなにやりとした笑顔を横目に、バランスを持ち直した私。ここですってーんなんて転ぶような運動神経はしていないのだ。サービス精神?そんなものどこかに置いてきました。第一何の需要無いだろうしね。それより……「久しぶり!」「おう、元気だったかー?」相変わらずの子供扱いで、ぐりぐりと頭を撫でてくる明王の兄さんの腹にぐりぐりと拳を押し付ける。まあ普段の事だ。「痛ェっての」「気のせいじゃない?」「お前…」ばしーん!と頭を平手で叩かれた。手加減してくれているから地味に痛いレベルだが、まあそれは今関係の無い事だ。


「何しに来たの?今忙しいーみたいな事メールで言ってたのに」
「おう、お前明後日誕生日だろ?」
「覚えててくれたんだ!」
「まァな。で、丁度俺は明日と明後日、それから日曜日に休みが取れたわけだ」
「……と、いうことは?」
「新しく出来た遊園地とやらに行きてェんだろ?―――連れてってやるよ」
「マジで!?」
「マジだ」
「やったあああ!」


飛び跳ねる私を横目に「はしゃぎすぎだろ」苦笑する明王の兄さんは見た目こそ怖いが、本当の兄のように私と遊んでくれるから大好きだ。ホテルに向かう途中だった兄さんとはそこで別れて、家まで全力で走った。

家に帰って携帯を開くと、誕生日のその日に予定になかった部活の日を連絡するメールが神童から舞い込んできていたのである。


――――*――――

(※視点剣城)


「ごめんなさい!苗字先輩、元気無いみたいで明日の事伝えられる雰囲気じゃなかったんです…!」
「いや、空野が謝る必要はない。今あいつに話しかけるのは俺だって躊躇う」
「…苗字先輩、何で元気無いんでしょう」


難しそうな顔の神童先輩に天馬が問う。「わからん」と一言だけ返し、再び黙り込んでしまう神童先輩。耳に届いた会話に対して聞こえないフリをしながら、俺は折り紙で作ったカラフルなリング連なる飾りが一定の長さになったのを確認し、カモフラージュのためのダンボール箱の中にそっと入れた。

神童先輩が苗字先輩に与えた仕事はどうやら長引いている様子だった。苗字先輩は多分、今俺達が練習に励んでいると思っているのだろう。しかし、今日の練習は音無先生のはからいで午前中だけになったのを先輩は知らない。午後はこうして明日の先輩の誕生日パーティの準備を部員全員で行っているのである。(ちなみに今回のパーティの発案者は空野で、何だかんだいいつつサッカー部全員を乗り気にさせたあいつの説得は凄いと思う。)


「……霧野先輩、それ何ですか?」
「狩屋、お前見て分かんないのか?名前の似顔絵だよ!」
「えええっ!?……な、何に使うんですか?まさかプレゼントじゃないですよね?」
「プレゼントだけど?」
「絶対にやめましょう?」
「何でだよ」
「……俺、プレゼント選び付き合いますから」
「でもこの似顔絵、俺としては傑作なんだけど」
「さ、行きましょう!今からでも遅くないですし!」


考え込む神童先輩と天馬を横目に、パーティの準備は順調だ。本格的な飾り付けは苗字先輩が帰ってから全員で行う予定になっている。パーティは明日の朝九時から。神童先輩が部活の日と偽りメールを出したと報告してくれたから、きっと先輩は来るだろう。嘘をついている事に罪悪感は沸くが、「他に予定なんて入らないだろ」との倉間先輩の言葉を信じてこうして準備は進められている。……一部順調ではないところがあるようだがスルーしよう。「剣城君、神童先輩に商店街行ってくるって後で伝えて!」ああ、狩屋行ってらっしゃい。霧野先輩と商店街だな?霧野先輩、財布持ってなかったみたいだけど大丈夫だろうか。


「剣城、ちょっと来てくれ」


神童先輩から呼び出しだ。……まあうん、大体言われる事は分かっている。


**


『名前に明日の事を上手く伝えて、必ず来るように言ってくれないか』


脳内に「デスヨネー」と棒読みな自分の声が響き、しかし神童先輩の手前断るわけにもいかなかった。器用とは言い切れない天馬に俺の担当していた飾りの部分の制作を頼んで来たのだが不安で仕方無い。そっとサッカー棟の影から覗くと、ぼんやりと虚空を見上げて何やら珍しく難しい顔をしている先輩がいた。座り込んで汚れの落ちないタオルを方手にぼんやりと。手は動いていない。ぼんやりしすぎですよ、先輩。


「………っ、もしかして」


誕生日が嫌なんだろうか?何も考えてない人だとは思っていたし至って普通の…いや普通じゃないけど普通の変態だと俺は先輩の事を認識している。が、ああ見えてもしかしたら人には言えない事情みたいなものを抱えているのだろうか。嫌な思い出だとか、トラウマだとか。「………」無いな、と普段なら言い切れたのだけど、あの憂いに満ちた表情を見るとなんとなく言い切れなくなった。声をかけるつもりだったのに足が動かない。なんだよ、これじゃ俺が先輩の事覗いてるだけで逆に俺の方が怪しい。―――ああもう!こうなったらヤケだ。俺の役目は先輩をパーティに呼んで、楽しんでもらうために頑張ることだ。


「先輩」
「…………………あ、剣城」


え゛っ、何あの反応の遅さ。普段なら一瞬で振り返っているはずなのに、本日の先輩は本当にどこかおかしい。しかも俺の顔を見てすごく気まずそうな顔をするのだ。なんだろう、凄く嫌な予感がする。


「先輩、明日の部活の事なんですけど」
「あー……その事なんだけど剣城、ちょっといい?」


ぱん!と手を合せ、俺に頭を下げてくる先輩。直後先輩の口から飛び出した「明日部活休むから!本当ごめん!」という謝罪の言葉に俺は頭がぐらつくのを感じた。


**


『来ないィ!?』
『大事な用事があるから、って……』
『おい待て名前だぞ?あいつああ見えてすっげえ真面目なんだぞ?』
『無遅刻無欠席で部活も休んだ事無いのに?』
『えええっ!?う、嘘でしょう!?』
『信助、おまん失礼じゃき……じゃのうて!おい本当なんか剣城!』
『人と会う約束があるんだそうで……』
『………そう、か』


誕生日なんだ。名前にも予定があるだろう…そう言った神童先輩の顔はとても寂しげで、その後耐え難い沈黙がひたすら続いたのは記憶に新しい。結局一日ずらしてパーティを開こうという天馬の案が採用されたのだが、俺はどことなくもやもやとした気分が晴れなかった。

一人きりの帰り道。先程立ち寄った病院で兄さんの顔を見てもこの気分は晴れず、なんというか…笑顔で兄に「そうか、京介も悩み多き年頃だな」笑顔で頑張れ、と言われてしまったら答えに詰まってしまう。あの輝かしいばかりの笑顔の兄を見ていると、とても恥ずかしくなってくるのだ。いや悩みといえば悩みだけどこれは悩み…悩み…!?


「うわっ!?」
「うお!?――っと、悪い、大丈夫か?」


考え事をしながら歩くのはいいのだが、前も見えないとなるとかなり重症である。薄暗かったからというのもあるのだろう。相手の体格が細い割にはがっしりしていたせいで思わず弾かれよろめく自分。即座に差し出された手に対し、こちらも「すみません」と一言告げて引いてもらう。そこで、街灯に照らされた相手の顔を見上げた。

―――見知ったその顔に、目が点になる。


「ふ、不動さん!?」
「おお、剣城じゃねえか。何やってんだよこんなとこで…っと、怪我無ェか?」
「あ、はい。俺こそすみません……ボーッとしてて」
「確かに辛気臭ェ顔してんな。―――何かあったか?」


話ぐらいなら聞いてやるけど、と不動さんが指差したのは近所の公園のベンチだった。




――――*――――




「………遊園地、明日にしてもらえばよかったかな」


誕生日当日。
動きやすさを重視したかったのだが、朝メールを確認すると明王兄さんから『出来る限りの力を振り絞って女らしくしろ』との指令が入っていたので本日は珍しく女の子らしさ重視のフワフワピンクに身を包んだ私。しかし普段の自分のテンションはどこへやら、なんというか……私はどんよりした気分のまま、玄関先で明王兄さんを待っていた。原因は勿論休んでしまった部活のこと。―――というより、私が休むと告げたときの剣城の顔がショックだったのだ。咄嗟に『しまった』と思った理由は、自分でもよく分からない。


「それにしても遅いなあ、約束の時間まで後30秒だってのに」


かつん、と石畳の上でヒールを鳴らしてみる。靴はちょっぴり不安なハイヒール。10cmは未知の領域だったのだが、服を選んでくれた茜ちゃんは「見た目だけなら完璧…」と絶賛してくれた。(これが絶賛なのかと聞いたら最大級の褒め言葉だと言われた。)まったく、こんな完璧美少女を待たせるなんて明王の兄さんはひどい男である。

気分はモヤモヤしていたし、これを理由に色々おごって貰おうと考えると少し気分が良くなった。そうだ、休んじゃったお詫びに雷門のみんなにお土産をいっぱい買っていこう。で、今日の帰り道に届け…られるかな?無理でも明日があるんだから大丈夫だと言い聞かせる。今日は私の誕生日なのだから、私が楽しまないと。


「………こんな気分で楽しめるんだろうか」


ぼんやりと浮かぶのは、やっぱりあのクールな後輩の顔だった。会いたいなー、なんて小声で呟いてしまうぐらいに。なんだろう、剣城が足りないとでも言うべきなのか。「あ、いかん」考えてたら会いたくなってきた。嫌がられてもいいから抱きしめたいかもしれない。剣城成分を補給したい……と、そこまで考えたところで私の目の前に一台の車が停まった。あ、明王の兄さんやっと来た!ばたん、と車のドアが開く音がする。後部座席の方から誰かが降りてくるのが見えた。あれ?明王の兄さんじゃない?――――え?え、ええええ!?


「先輩、おはようございます」
「つ、つつつつつつうるつつえう剣城なんでここに!?」
「そんな服も着るんですね。……似合ってますよ」
「え、ちょ、あの、えっと、つる、剣城さん?」
「さ、行きましょう」
「…………………………」


絶句。そして、差し出された手。剣城いつの間にそんなにスルースキル高くなってたの、と普段の私なら問いかけただろう。しかし現在剣城は…「私服、初めて見た」「不動さんが選んでくれたんです」口元を緩めて目を細め、「ほら早く」急かされて黒いジャケットが恐ろしい程に似合う剣城の手に自分の手を重ねた。いや、これは格好良いわ。普通に惚れそうなぐらい格好良いです剣城君。

エスコートされ、車のドアを開けられる。「おー、……見た目だけなら完璧だな」「おはようの前にそれ……じゃない!?どういうことなのこれ」運転席のどこか遠い目をして私を見つめる馴染んだ顔に半分呆然として問いかけるとにやりとニヒルな笑みが返ってきた。普段は嫌な予感のする笑顔だが、今日はなんとなくそんな気がしない。「今日の予定は変更な」「え、あ、…ええ?」「ほら剣城早く乗れよ」「先輩、隣失礼します」「っは、はい!どうぞ!」「…先輩、どうしたんですか?」「ああ、お前の口説き文句に混乱しt」「明王さーん、私今度明王さんのためにトマトたっぷりトマト尽くしのフルコースご馳走するねー「て……ないな。よし剣城気にするな」「そうだよ剣城、気にしたら負けだよ」「…よく分かりませんけど、時間が無いしもうみんな集まってるそうです」


事情が分かっていないのは私だけらしく、「えっ、みんな?」疑問の声に二人は耳を貸してくれない。「よし、雷門まで飛ばすから捕まってろよ」「事故はやめてくださいね、不動さん」「剣城そこ引き止めるべきところじゃない?」「シートベルトしたかー?」「大丈夫ですよ」「ちょっ、私まだ何も」「剣城、捕まえててやれ」「…っ、無理です」「えっ?えーと剣城さん?どうしてそこでNOを選んだの?」「……根性無ェな」「不動さん黙ってください」「わ、私ちゃんと今日は真面目にお洒落したよ!」「だからです!」「へ?」「名前、お前少しは考えろよ……剣城は自分を抑えるので精一杯なんだよ」「剣城だってお洒落さんじゃん!普通に惚れそうなぐらいかっこいいよ?」「………名前………」「………先輩………」えっ、何その目…剣城は呆れたような失望したとでもいうような目で、明王の兄さんは哀れみの目線である。わけがわからない。


「よーし、じゃあ行くぞー」
「だからどこに!?」
「行ってからのお楽しみだってよ、なあ剣城?」
「…ええ、じゃあお願いします」
「―――任せとけ」


車の運転は得意じゃねえけどな!と叫んで発進された車が雷門中への道を辿っている事に気がついたのは、それから十分後の話。


「「ハッピーバースデー!」」

(誕生日おめでとう、名前)
(……えっ、神童?えっタキシード?えっとこれ何?)
(お前の誕生日パーテ……誰だお前!?)
(倉間のくせに失礼な!私は名前だ!)
(……名前ちゃん、それこの間の…?)
(茜ちゃん、聞く前にシャッター切りまくってるよね)
(うん、……見た目だけなら完璧)
(見た目詐欺だな)
(蘭丸は何でドレス着てるの?)
(気にするな。ほらそれより主役は真ん中だ真ん中!)
(わ、押すな押すな!)
(ほら剣城君、隣に行っちゃいなよ)
(狩屋、お前も何でドレスなんだ?)
(あっ剣城、それ聞いちゃだめ!)
(霧野先輩の巻き添えだっての!文句あるか!)

(ああもう剣城!狩屋は俺と信助に任せて!)
(…悪い)
(ほら早く!先輩向こうに流されてったよ?)
(っ、)

(―――先輩!誕生日、おめでとうございます!)
(……うん!ありがとね、剣城!みんな!)

(大好きだよ!)


(2013/05/26)

収拾がつかなくなった結果、今までに書いたどの文章より長くなった気がします。
五万打企画より優様リクエスト、まいうぇい番外で誕生日お祝い夢でした!
誕生日話はいつか個人的にやろうと思っていたのですが、せっかくリクエスト頂いたので脳内でぼんやり形になっていたものを書こうと思った結果がこれです。酷い。

後日不動のお兄さんは雷門サッカー部全員を遊園地に連れていくはめになります。本来は遊園地に連れてってもらうはずだったんだー、とまいうぇい主がへらへら笑いながらジュースの勢いにより口を滑らせたところ、剣城が反応しマネジ組が反応し、お祭り騒ぎ好きな浜野君達が反応し、じゃあ俺も俺も僕も、と芋づる式に。三年生は「こらこら」とたしなめてそうですが、最終的には行くことになると思います。多分まいうぇい主の「じゃあみんなで行こうよ!いいよね明王兄さん?」連れていなかいとトマト尽くし料理フルコースだぞ☆みたいな笑顔で決定を下すんだと思います。

端折ってしまったのですが、不動と剣城の会話はこんな感じです。


「ほら飲めよ」←ホットコーヒーをパス
「……ありがとうございます」←ナイスキャッチ
「で?何があったんだ?」←プルタブ開けつつ
「………明日、誕生日になる先輩のために、サプライズパーティーを企画したんです」
「ほうほう?」←そういや名前って雷門サッカー部だったよなと回想
「なのに、明日人と会う約束があるって言われてしまって」←しょんぼり
「………ほう」←あっ…(察し)
「何日か前からみんなで企画してて、準備も色々進めてて」
「……剣城、お前」
「一生懸命プレゼントも選んだのに、当日に渡せないのが…悔しいというか。すいません、くだらなくて」
「そうか、名前にも春が…そうかそうか」
「は?え、えーと…不動さん?」
「分かった。剣城、お前の名前への気持ちが大体分かった」
「え?って、は……い?え?不動さん!?」
「明日名前と約束してたのは俺だ。悪かったな剣城」
「いやちょ、待っ」
「約束はずらせば問題無いな……おい剣城、明日の朝俺が迎えに行くから家教えろ」


とまあ、こんな感じで会話が繰り広げられ不動の強引さにより剣城は駆り出されたわけですが、多分剣城は内心大喜びだと思うのです。なんせお洒落した名前ちゃんは見た目(だけ)は超絶パーフェクト美少女なので!

優様、企画参加、そして素敵なリクエストありがとうございました!
無駄に長々と書いてしまい、本当に申し訳ありませんでした;;