剣城と猫耳


「実際さ、猫耳と猫尻尾ってあざと過ぎるよね」
「……唐突に何を言い出すんだお前は」


大人しく漫画を読んでいたかと思えば、いきなりそんな事を言い出す名前に溜め息を吐いた。「や、だって第一に似合う似合わないがかなりはっきりするでしょ?」……俺は肯定すればいいのか、否定すればいいのか?確かにそう思うが、流石にそれは言い出せない。そもそも猫耳の最大の萌えはと語りだす名前が放り出した俺の漫画を手にとった。開いていたのだろうページに猫耳と猫尻尾を装着したヒロイン。コスプレ回。なるほど理解。


「剣城は間違いなく猫耳が似合うタイプの人間なんだけど、」
「おいナチュラルにどうして俺で例えた!?」
「天馬君とかは猫耳より、犬耳だと思うの。それでほら、狩屋君は猫だよねえやっぱり!」
「……そうだな」
「葵はウサギで輝君は…なんだろ、パンダとか可愛いかも。信助はピカt」
「それ以上はやめろ!」


消されるぞ!と流石に怒ると「ちぇー」とつまらなそうな声を上げられた。一体何だというのか。「あ、剣城!今度剣城に似合う猫耳買ってくるね!」「いらねえよ!付けねえよ!」コスプレじゃねえか!しねえよ!絶対!つーか、俺に付けるのかよ!お前じゃなくて?「私こういうのより、むしろ剣城の制服とか着る感じのコスプレがいいな」……それ若干ジャンル違うからな?後俺がもたない。




(2013/10/19)

あざとい剣城君が見たい