もうショタコンでいいや

「小学生……っ!?」
「言ってませんでしたっけ?」


にこにこと目の前で微笑む天真爛漫系小悪魔に絶句する。しょう、がくせい……
衝撃の事実に私もだが、みんなも頭がまだ付いていっていないらしい。
私なんか考えるのをやめてしまいたい。待って、虎丸君と想いを通じ合わせたのはつい先日ですよ?
私中学三年生ですよ?えっ、つまり私ショタコン……


「虎丸君、別れよう」
「ヤです」
「素晴らしい笑顔をありがとう。だけど小学生なら話は別だ」
「絶対ヤです」
「私!綱海と同級生!君!小暮君より年下!」
「愛があればだいじょーぶですって!何より先輩子供っぽいし幼児体型だし」
「うるさい!」


余計な事言うんじゃない!翻した手刀が一閃、虎丸君の喉元を狙うが華麗に避けられる。というかまだ体は許してません!何故私が幼児体型だと……ああ、うん、まあ見れば分かるか。


「虎丸君、私ショタコンじゃないんだ」
「知ってます。先輩は年上趣味なんでしょう?」
「そうそう―――って何故それを!?」
「音無さんの情報です」
「……虎丸君がどうしても、って言うからつい……」


目を逸らす春奈ちゃんは何故それを知ってたんですか?私誰にも言ってないんだけど!


「でも今は俺の事好きなんですよね?ならいいじゃないですか」
「好きだけど!……好き、だけど」


半ば目を逸らしながら本音を漏らす。虎丸君の事を好きなのは事実、なのだが……正直に言うと目線が痛い。完全にショタコン疑惑である。違うの!だって虎丸君大人びてたから……!
どうしたらいいのか分かんなくなって、思わず虎丸君を見つめた。――彼の大きな瞳が潤む。
―――そっと掴まれた服の袖。


「ッ、年の差ぐらいで俺の事捨てるんですか!?」
「そんな!捨てたくなんかないし別れたくないよ!」
「………先輩!」


思わず本音を叫んでしまう。しまった、これショタコン確定じゃないですか
でも事実は事実だからしょうがない。小学生でも虎丸君が好きだ。
抱きついてきた虎丸君を抱きしめる。――――くだらないことで悩んでたな、私。


「ごめんね、虎丸君。……私も大好きだよ」
「黙っててごめんなさい。俺、絶対先輩の事幸せにしますから!」
「うん、楽しみにしてるね?」
「はい!」


彼の満面の笑顔が嬉しい。思わず釣られて微笑むと、―――不意打ちで唇を塞がれた。




もうショタコンでいいや

(……え!?苗字と虎丸って付き合ってたのか!?)
(っておい!俺らの目の前でキスすんな!バカヤロ―!)


(2013/03/05)

拍手お礼文にしようと思ってたものなので名前変換を最後以外使ってません。
まあ結局ボツにした文章でした。