NON

仕事をしている露伴の後ろで念願のピンクダークの少年を読んでいると、露伴が思いついたように振り向いた。


「そうだ名前、学校に行かなくちゃあな!」

「え?何突然…」

「よし、今すぐ転入の手続きをしよう」


ぶどうが丘高校に、と露伴は言った。


ぶ ど う が 丘 高 校!?


「行く!行きたい!」

「そうだろう?よし、今から行くぞ」

「でもいきなり行っても大丈夫?身分証明できるものなんかないけど…」

「ぼくを誰だと思っているんだ」


そうでした。
露伴は「これで学校に行っている間は安心できる!」と喜んでいた。
なんだそれ!失敬な!
私が読んだ夢小説ではもっと甘い感じだったのに、どうやらギャグ夢らしい。


「これから仗助とかに会えるのか〜楽しみ!」

「くれぐれも変なことは言うなよ。それと、康一くんには迷惑はかけるな!」


康一くん以外はいいのかよ、と思った。
どうでもいいらしい。


露伴のおかげで無事にぶどうが丘高校へと転入できた。
本当にヘブンズ・ドアーって便利だ!
時刻が丁度昼休み中だったので、昼休みが終わってから、クラスへと入れるらしい。
あぁ、誰のクラスになるんだろう!


「よし、今から転校生を紹介するぞ」

「今から!?」

「もう昼ですよ先生」

「普通は朝一番だよなぁ」


口々にいろいろ聞こえる。
しょうがないじゃないか。
私は教室の前で待機しつつ、教室のざわめきを感じていた。


「苗字、入れ」

「どうも…」


教室中の視線が集まる。そんなに見ないでくれ、照れるから。
まず目に入ったのは興味なさそうな由花子。
漫画で見るより威圧感があって、美人さんだった。
それに、由花子が居るってことは、


「(おくやすぅぅ〜!!)」


アホっぽそうな大きな三白眼がこっちを見ている。
ああやっぱり可愛いぞ億泰!
なんと先生が指定した席は、億泰の隣だった。
これですよこれ!この夢小説的展開を待ってたんですよ!
隣に座るとき、「よろしく!」と思わず叫んだら、億泰は大きな目を更に見開いて「お、おう…?」と目をパチクリしていた。 


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