NON

露伴の家は、思ったよりも広くて、一人で住むには広すぎる気がした。
自分の部屋の何倍もあるリビングひ通され、ソファーに座れと指示される。


「さて、聞かせてもらおうか。知っているようだから説明はいらないと思うけど、隠しても無駄だぜ」

「ハイ…」


どうせこのあとヘブンズで見られるのだから、隠しても無駄ァ!なので、包み隠さず全てを話す。
思えば、時間軸を一切頭に入れてなかったが、まぁ大丈夫だろう。
そこんとこは夢小説らしく上手いことやってくれるはずだ。


「驚いたな、吉良のことまで知っていたのか…それにぼくらが漫画だと…」

「まぁ、ジョセフと承太郎が帰って終わりだったから、それ以降は知らないけど。あ!あと鈴美さんが天国行ったときのことも知ってるよ。『さびしいよ!ぼくだっていってほしくな「ヘブンズ・ドアーッ!!」


バラバラ、と自分の顔が本になるのを感じる。
だんだんと気が遠くなり、赤く染まった露伴の顔を見て、やっぱり露伴はツンデレだ、と確信した。



ふと気がつくと、露伴の顔が目に飛び込んだ。
そうだった。絶賛トリップ中だった。


「わかってくれました?」

「ああ。本当のようだな。しかし、この露伴がツンデレとはどういう意味だ」

「どういう意味も何も…そんなとこまで見られたのか」

「それに、仗助×露伴とは何だ。他にも承太郎×仗助とか、仗助×億泰とか、噴上×露伴とか…」

「ギャァァァ!そこは見ないで欲しかった!」

「理解不能だったんでな。大体ぼくは仗助が嫌いだ」

「知ってます。だからいいんじゃあないか…!」

「…考えただけでも吐き気がする…」


いくら否定したって乙女の妄想はつきませんよ、露伴先生。
それにしても恐ろしいスタンドだ…!趣味丸分かりじゃないか!(管理人のな)


「新鮮な意見だが、あり得ないよ。残念だったな」

「荒木先生も同じこと言ってたなぁ」

「荒木?あぁぼくらの作者か」

「そういえば、あんまり漫画の中の登場人物ってことに抵抗はないんだね」

「まぁ、ないと言ったら嘘になるが、その漫画はたったの一部分だけだろう?
ぼくはこうして存在しているし、この行動はほくが思って動いてるんだ」


露伴は手をグーパーと動かした。


「それに、漫画を書いててよくキャラクターが勝手に動くことなんてよくある。そういう時は、漫画にも意志があるからだとぼくは思っているんだ」


だから、自分は自分の意志で動き、思考しているから、漫画なんて関係ない。と露伴は言いたいらしい。

何だか感動した。


「ところで、君はこれからどうするんだい?」

「え?勿論露伴の家に…」

「冗談じゃない。絶対に嫌だからな」

「ええ!ケチ!」

「うるさい。仗助か億泰の家にでも行け」

康一の名前を出さないところが露伴らしい。
しかし予定が狂った。露伴は頑として私を泊めないらしい。


「嫌だよ!家族が居るから気まずいもん。それに迷惑かけちゃう」

「今現在ぼくに迷惑かけてるのに気づけ」

しかしこんな所でへこたれていられない。
なんとしてでも露伴にイエスと言わせてみせる!


「泊めてくれないなら今ここで仗助×露伴を語り尽くしてやる」

「意味が分からん脅しをするな!」

「噴上×露伴でもいいよ?」

「知るか!っていうか噴上って奴とは話したこともないんだぞ」

「そんなの関係ないのです。それが腐女子クオリティ」


意味分からん、と露伴は頭を抱えた。


「それとも、仗助の前で露伴が鈴美さんとの別れの際に言ったツンデレセリフを暗唱しようか」

「ツン…何だって?」

「『最後だから素直に言うよ!さびしいよ!ぼくだって行ってほしくないさ!』もっと前から言えるよ。露伴ちゃんは寂しいって泣くかしら」

「…」

「あ、赤くなってる」

「うるさい!あぁもう好きにしろ!」


晴れて、住居ゲットです。


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