NON

嘘だろ承太郎!
思わずポルナレフにもなる。
あの漁師が言ってることに間違いがなければ、ここはジョジョ4部の舞台、杜王町である。
よぅし…ここは念を入れて…。


「あの〜お尋ねしてもよろしいか」

「ん?何かな、って、嬢ちゃん、ずぶ濡れじゃあないか!」


「おかしなことを聞きますが、ここは杜王町ですか?」


これで違ってたら首括れるぐらい恥ずかしい事態だ。
だが、この漁師さんは親切に、期待に応えてくれた。


「おう、杜王町で間違いねぇぜ。観光客かい?ここはボヨヨン岬っつーとこなんだがな」


漁師さんはご丁寧に詳細を話始めた。
いや、知ってるから大丈夫です。
むしろあなたよりよっぽど詳しいです。


ここは、杜王町だ。


どうしよう。
もうここは開き直って会いに行こうか。


どこにって、決まってるだろ!


トリップしたら、泊まる場所が必要だろ諸君。
仗助の家?億泰の家?康一くんの家?
彼らには家族が居るから無理だ。特に最後は彼女さんが怖すぎる。
残るはただ一人。


「ハイ、どなた?」

「苗字名前と申します!」

「だから、誰なんだよ」


表札には岸辺と書いてあり、外観もよく知っている。きっと向こうにはチンチロリンが行われた庭もあるはずだ。
声ばかりは分からないのだが、この用心深さと不機嫌そうな声は岸辺露伴その人だろう。


「君なんか知らないな。帰ってくれ」

「岸辺露伴20歳。16歳の頃ピンクダークの少年でデビュー」

「何だ?ぼくのファン?家にまで押しかけてくるなよ」

「1999年2月に虹村形兆によって矢で射抜かれ、スタンド発生。名前はヘブンズ・ドアー。人の記憶や体験したことを本にして読み取れる」

「!?貴様…何者だ」

「しがない露伴先生のファンです」


そう言うと、カチャリ、と鍵が開く音がした。
そこから覗いた顔は、紛れもない露伴先生で。


「…すぐヘブンズ・ドアー発動されるかと思った」

「するさ。君の説明を聞いた後にね」

「聞いといてさらに確認するんすか…」

「悪い奴じゃあなさそうだ。まぁ上がりなよ」


やりました!苗字名前、ついに岸辺邸にお邪魔してしまった!




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