NON

結果から言うと、テストは無事に終わった。
赤点は回避して、さらに億泰にも勝てた。
数学なんかは自己最高点を叩き出している。裕ちゃん様々だ!
伊達にやればできるって言われ続けてきたわけじゃない。


「いやったー!」

「やっぱり負けた…」

「まぁ億泰も赤点回避できてよかったじゃん!私には負けたけどね!」

「ひでぇ!」


バシンバシンと億泰の背中をしばきながら、高笑いをする。
しかし本当によかった。
その日の帰り道、早速裕ちゃんに出会ってしまった。


「よ!名前」

「裕ちゃん!」

「うわっ満面の笑みで迎えられちゃった。ついに俺に惚れた?」

「数学赤点回避したよー!」

「ナチュラルにスルーされた…」


よかったなぁと裕ちゃんが私の頭を撫でる。
撫でられるのってすごい気持ちいいんだなぁ。


「で、名前、デートは?」

「じゃ、また教えてね!」

「おいおい!そりゃねぇだろ!」


逃げようと試みるも、そういえば裕ちゃんにはハイウェイ・スターがあるんでした。
時速60kmで逃げられるわけもなく、ハイウェイ・スターに行く手を阻まれて結局捕まってしまった。


「卑怯だ!スタンド使うなんて!」

「名前が約束なかったことにしようとしたのが悪い」

「な、なかったことになんかしてない、よ!」

「罰として今からデートな」


裕ちゃんは私の手を握ると、サクサク歩き出した。


裕ちゃんに連れられてデートするはめになった私は、只今ドゥマゴに居ます。
デートとは言っても、結局はドゥマゴなのか。
いや、別に期待なんかしてないけど!初めてデートするからさ…勝手がわからなくてさ…。


「名前、あれやろうぜ、あれ」


裕ちゃんが指を指したのは、いちゃいちゃとパフェをつついているカップルだった。

いやいやいやいや!誰がするんだよ!かなり無理!
由花子と康一くんでさえ一人づつ頼んでたよ!
それが何が楽しくて一つのパフェを裕ちゃんとつつかなきゃならないんだ!
パフェは一人で食べたい!(そこか)


「絶対嫌だ。アホらし」

「いいじゃん。あーんしてくれるだけでいいから」

「それこそ嫌だ!公衆の面前で生き恥晒してたまるか!」

「じゃあ二択な、あーんとホテル直行かどっちか」

「デッドオアデッドじゃないか!」


まさに外道!とはこのことか。
ていうかホテルって何だよ!自分の年齢考えようよ!
やっぱり裕ちゃんは裕ちゃんだなぁ…。
究極の選択を迫られている時、後ろから肩をたたかれた。


「やっぱ名前だ。裕也と何してんの…?」

「デートだよ。な、名前」

「おー仗助に億泰。どうしたの?」

「またスルーかよ」


どうやら仗助と億泰も帰宅途中にドゥマゴに寄ったらしい。
同じ机に座る仗助たちに、裕ちゃんが睨みをきかせるが、仗助は丸無視である。


「そういえばよぉ、名前にいいニュースがあんだよ」

「え?何?」



「来週、承太郎さんが杜王町に来るってさ」



ああ神様!
この世界に運んでくれてありがとうございます!
裕ちゃんとのデートなど忘れ、私は来週会える承太郎へと思いをはせた。


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