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NON 今、露伴先生の家にお邪魔している。 何故かというと、テストが近く、手頃な家でテスト勉強をしようと決まったからだ。 僕と、仗助くんと、億泰くんと、由花子さんと、名前さん。 全員が入れるぐらい広くて、うるさくしても平気な場所は露伴先生の家ぐらいしか無かったからだ。 露伴先生の仕事を邪魔するのは気が引けたけど、名前さん曰わく、もう仕事は終わっているらしい。 最近は仕事が好調なようだ。どう考えても名前さんが理由なのだけど、本人たちは気づいていない。 「えーと…x=3だから…」 「あ、仗助そこはねぇ、ここに代入すればいいんだよ」 「おお!」 リビングの机で僕らは教科書を広げ、露伴先生は少し離れたところで紅茶を傾けている。 少しでも仗助くんが名前さんに触れようとでもしたら、すぐさまGペンが飛ばせるように。 すでに3回ほど仗助くんの手には正確にGペンが刺さっていた。 「つーかよぉー、名前って数学苦手じゃなかったっけ?」 「そういえばそんなこと言ってたな」 「うん。昨日裕ちゃんに教えてもらったんだよ」 名前さんが問題を解きながら重大発言をする。 重大と言っても、仗助くんと露伴先生にとってだけど。 案の定二人は「何っ!?」と声を合わせて立ち上がった。 「裕也に会ったのか!?昨日!?」 「え、うん、会って勉強教えてもらった」 「何もされなかっただろうな!?」 「な、え、う、うんされてない」 「「されたのか!!」」 どうやら彼女は嘘がつけないタイプらしい。 二人に詰め寄られるにつれて、ボロボロと噴上くんの悪行(?)がバレていっている。 どうやらデートの約束をしてしまった挙げ句、抱きつかれてしまったとかなんとか。 億泰くんに勉強を教えながら聞いていたので良くわからないが、二人はかなり腹を立てているようだった。 そして名前さんはなぜ二人が腹を立てるのかわかってない様子で、この人も大概鈍感なんだな、と僕は分からないようにため息を吐いた。 前 | 戻 | 次 |
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