NON

まさか。

まさかこっちの世界に来てまで

これに悩まされるとは思ってもみなかった


「テストォォーッ!?」


朝担任が言った「来週からテスト週間」という言葉に過剰に反応する転校生が一人。
私である。
だってさ!そりゃあテストはあるのが当たり前だけどさぁぁ!
まさか来週からだなんて!あんまりだ!
自慢じゃないが、私は頭が悪い。
大抵夢小説の主人公なんてのは、頭良くて顔良くて性格もいいが、私にそれを期待するのは間違っているぜ!


「名前、勝負しようぜぇ〜」

「なにそれ。喧嘩売ってんの」

「何で!?」


億泰に勝負を持ちかけられた。
アホの億泰に!チクショーそんな可愛い目で私を見るな!
気づいたら私の手は億泰の頭を撫でていた。


「しかしテストとは深刻だ…この学校のレベルも分かんないしなぁ」

「おい名前、喧嘩売ってんのそっちだろ〜」

「億泰が可愛いのが悪い!」

「可愛いとか言われても嬉しくねぇよぉ〜」

「何やってんだお前ら…」


隣のクラスもホームルームが終わったらしく、仗助がクラスに遊びに来た。
すでに億泰のセットされた髪はぐちゃぐちゃである。


「何故この世にテストなんてあるのだ…テスト考え出した奴馬に蹴られろ…」

「何?名前って馬鹿なの?」

「言ったな!NGワードを言ってしまったな仗助ぇぇ!」


こうしてやる!と私は億泰にしたように仗助の頭を掻き回した。
形のいいリーゼントが崩れていく様は実に愉快だ!(ノリノリ)


「うわっ何すんだよ!」

「仗助が髪下ろしたの見てみたいんだよねー」

「はぁ?何で」

「ファンだから?」

「何で疑問文なんだよ…」


というか、リーゼントの仕組みを知りたい。
せっかくぐちゃぐちゃにしたのに、仗助は手慣れた手付きでチャチャっと直してしまった。
あぁ、仗助ファンの夢が…。


「つーかよぉ…一個だけ、髪下ろしたとこ見られる方法あんだけど…」

「え!?何、見せてくれんの?」

「…やっぱりやめた」

「えー!?なにそれ!」


仗助はわけも分からず赤くなり、そっぽを向いた。
照れるのはいいけど(目の保養)、ちゃんと教えてくれよ!


「なぁんか俺分かっちゃった」

「言うなよ!ぜってぇ言うなよ億泰ッ!!」

「なに!?億泰に分かるのに!?どんだけアホなんだ私わぁぁ!」

「俺だって傷つくんだけど…」


照れていた仗助が今度は焦っている。
男の考えることはよくわからんな…。
そんなとき、前の方からテスト時間割が配られてきて、また鬱になった。


***
髪下ろす→風呂上り→あとはわかるな

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