NON

朝、学校に行くと上靴がきちんと下駄箱に入っていた。
それを見てほっとすると同時に、やっぱり大丈夫だったと名前は安心した。
彼女たちも反省しているのだった。
名前が上靴に履き替えていると、後ろから声がかかった。


「#name2#、さん」

「ん?」

「…昨日はごめんなさい」


何かと思えば、昨日の彼女らだった。
それぞれがごめんなさい、と頭を下げて、名前に謝る。
まさか、自分達から謝りにくるとは思わなかったので、名前は少し拍子抜けしてしまった。


「え!?いや、いいよ!もう気にしてないから!」

「でもっ…顔に怪我させちゃった…」

「あぁ、これは貼ってるだけ!もう痛くも何ともないのに、貼っていけってうるさい奴がいるのよ〜」

「お、お母さん?」

「いや、どっちかと言えばお父さんかな」


朝からぎゃんぎゃんとうるさかった某漫画家を思い出し、名前はため息を吐いた。
なぜああも、朝から元気なのだろうか。


「とにかく、気にしてないから。もう忘れな」

「本当にごめんなさい。私たち、#name2#さんと仗助くんのこと、応援してるから!」

「…はい?」

「お似合いよ!お幸せにね」

「いやいやいやいや、君たち勘違いしてないかい?」


名前が誤解を解こうとするにもかかわらず、彼女たちは聞く耳持たずである。
必死に言い聞かせ、ようやく理解してもらえた。


「お似合いなのにね…」

「意味分からん。君たちは仗助が好きなんじゃなかったの?」

「好きだけど、#name2#さんだったら喜んで諦めるわ!」

「私たち、一回保健室に謝りに行ったけど、仗助くんが明日にしてくれって」

「#name2#さんの寝顔を見てる仗助くん、すごく優しい顔してたのよ!」


もう名前はへぇ…と言うしかなかった。
というか、それしか言わせてもらえなかった。
仲直りができたのは良かったけど、これはこれでめんどくさいなぁ、と名前はため息を吐いた。


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