NON

学校に着いた。
どうやら仗助と億泰は先に来ていたらしく、由花子と康一くんに私のことを説明したらしかった。


「名前さん、困ったことがあったら、いつでも言ってくださいね」

「こ、康一きゅん…!」

「きゅん…?名前って時々おもしれぇよなぁ〜」


ありがとう億泰、褒め言葉としてもらっておくぜ!
康一きゅんにときめいていると、黙っちゃいないお方が一人。


「#name2#さん…?」

「ヒィッ!」


まさにゴゴゴゴゴと音を背負っている由花子が私を睨みつける。
ちょっと!ここは由花子も同情して友達になってくれるとこじゃないのか!


「おい由花子、名前傷つけるのはやめろよ」

「仗助ー!何でそんなに優しいんだお前は!」


好きだー!と仗助に抱きつく。
仗助だけだよ!夢小説らしく事を運んでくれるのは!
その仗助は優しいと言われたのが照れくさいのか、耳が赤くなっていた。


「お、おい名前ッ、離れろ…!」

「あ、ごめんごめん。仗助があまりに優しいので感激しちゃって…」

「それより#name2#さん、あなた仗助が好きなの…?」


由花子は不思議そうな顔で見てきた。
おぉ、これは友情が生まれそうな予感!
このフラグ折ってなるものか!伊達にいくつものネオロマクリアしてないよ!


「うん!由花子も好きだよ!」

「は?私?」

「…え?」

「名前、俺は〜?」

「億泰も好き!」

「残念だったね…仗助くん…」


はぁ、と仗助と由花子がため息を吐いた。
あれ?何か選択肢間違ったっけ…。
康一くんも好きだけど、ここで言ったらフラグぶち折ることになるので控える。


「だから友達になってよー!」

「と、友達?何で私が…」

「由花子の知らない康一くんのこととか教えるから!」

「友達になりましょう、名前」

「なんか今嫌な言葉が聞こえたような…」


コソッと由花子に耳打ちしたら、友達になってくれた。
康一くんにちょっと聞こえたみたいだけど、気にしない。
これで、最強の味方ゲットだぜ!



そういえば、と億泰の方を振り向いた。


「億泰!トニオさんのとこ連れてって!」

「トニオ?トルサルディーかぁ」

「トルサルディーまで知ってんだな」

「ジョジョファンの夢その2なのよ〜トルサルディーでトニオさんの料理食べるのが!」


きっと死ぬほど、んまぁぁあいのだろう。
そうだなぁ、と億泰。


「じゃあ放課後行くか!」

「行くー!やった!」

「名前、どっか悪いとこあるのか?」

「んー…ちょっといろいろありすぎて疲れてるからなぁ。疲れとれる料理とか食べたい」


そうと決まれば露伴に夕飯いらないって言わなきゃならない。
私の携帯はこっちに来て使えなくなっていた(そりゃ、舞台が1999年だしなぁ)ので、康一くんの携帯を借りた。


『もしもし』

「もしもーし、露伴?」

『なんだ、名前か?どうかしたのか』

「今日夕飯食べて帰るね」

『何?誰とだ』

「億泰とー」

『あいつならアホだし大丈夫だな』

「あと仗助」

『ダメだ』


えー!?と電話の向こうに向かって叫ぶ。
アホならよくて仗助は駄目なのか!?意味分からん!
それにしても何だか露伴がお父さんみたいになってきたことに、クスリと笑ってしまった。


『何がおかしいんだよ』

「なんか露伴がお父さんみたいだなーと思って」

『なっ!?何だと!?』


「長いね…電話」

「名前、ちょっと変われ」


仗助が私から携帯を奪った。
ああ!録音機能があれば!おっと…そういう考えは自重することにしたんだった。


「露伴センセー話が長いっスよ。もう名前は俺らとトルサルディーに行くって決めたんス」

『仗助、貴様…』

「じゃ、さよなら〜」


ピ、と仗助は通話終了ボタンを押した。
聞こえてくるのは露伴の声じゃなく、ツー、ツーという音だけだった。


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