NON

仗助と億泰が帰るらしい。
もっと居てもいいのに、というと(露伴はお前の家じゃあないだろ!と言っていた)、ただ説明聞きたかっただけなんだってさ!
もっと私と一緒に居たいとかさ、甘い展開は期待できないのかしら。


「つーかよぉ、名前は帰んねーの?」

「あ、私露伴の家に住んでるんだよ」

「はぁ!?いいの、それ!」

「別にいいんじゃない?」


どうせそういうことは期待できないんだから…そんなに魅力ないかな、私…。
勝手に落ち込んでいると、仗助が心配そうに声をかけてきた。


「でも、名前一応女だろ?何かあったら言えよ」

「じ、仗助…!」


一応、とか聞こえた気がしたけど、そんなこと関係ないぐらいときめいた。
だって今まで優しくしてもらったことないから!


「ぼくにゲテモノ趣味はない」

「あー…もう一気にテンション下がった」

「じゃあな名前ーまた明日ー」


仗助と億泰は手を振って遠ざかっていった。
露伴は玄関のドアを閉めて、塩をまいていた。
そこまでしなくても…。


「露伴酷い。ゲテモノって…」

「間違っているかい?」

「大間違いだよ!私はれっきとした女の子ですよ!」

「趣味がゲテモノだろう。さっきも塩まいている時すらニヤニヤと…」

「あれは仗助が優しかったからときめいてたんですー」


さすがこの世のどんなことよりも優しい能力を持ってるだけあるよね!
と、私が力説すると、露伴はムッと顔をしかめてプイッと顔を背けた。


「あっちょっと、何その態度!せっかく仗助の良いところ語ってあげようと思ったのに…」

「ぼくの前で仗助の話は止めてくれ」

「え!なに、ヤキモチ!?」

「べ、別にそんなんじゃあない!」

「大丈夫だって、仗助は露伴の「って、おいッ!そっちか!懲りないな君も!はぁ……もういい」


うんざりと露伴は頭を抱えた。
何だか本気でうざがられたら嫌なので、そろそろ自重することにしよう。
もっと早く自重しろ、なんて言うな。


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