NON

授業を終え、放課後となった。
ちなみに億泰は午後の授業はずっと寝ていた。
ようし、ここは勇気を出して…


「億泰くん!一緒に帰らない?」

「あ…?…はぁッ!?」


億泰が素っ頓狂な声をあげ、辺りがざわついた。
おいおいあの転校生、虹村目当てか?なんてきこえてくる。
目当てっていうか、せっかくの仲良くなるチャンス、無駄にできるかッ!
それに私の推理(?)通りに行くと、きっと仗助と帰るだろうから、仗助ともお近づきになれるって寸法だ。
しかし億泰はあんぐり口をあけたままで、一向に返事をくれない。


「ダメ、かな…」

「へ!?いやっ、ダメっつーか…え〜と…」

「おい億泰〜帰るぜ」


キター!!
仗助参上だよ!
ヤバい!リアルリーゼントだ!目が青い!
ついでに横には康一くんも構えている。きっと由花子さんと帰るのだろう。


「じ、仗助…」

「あ?どうした?お、この子が転校生?」

「そうよ」


と、横から由花子。
チラリと私のほうを見て、すぐに仗助へと視線を戻した。


「さっき億泰が一緒に帰らないか誘われた子よ」

「マジで!ようやく億泰にも春か〜」

「違うと思うわよ、他に意図があるんでしょ?苗字さん…」


由花子に睨まれた。怖い。怖すぎる。
確かに由花子の言うとおり、ちょっと他の意図も含まれてるので、私は否定できずに押し黙った。


「他に…?なぁんだ、よくわかんねぇけど残念だったな、億泰」

「う、うるせー…」

「で、何が目的?康一くん目当てとか言ったらただじゃおかないわよ」

「ゆ、由花子さん!」


ざわり、と由花子の髪の毛が揺れた。
しょうがない…全部話しちゃえ。
別に露伴が言ってたように迷惑かけるわけではないし、むしろこのまま由花子を暴走させるほうが康一くんに迷惑をかけることになる。


「そのスタンド、ラブデラックス」

「!?」

「おい、こいつスタンドのこと知ってるぞ…」

「その仗助のスタンドが、クレイジーダイアモンド。で、そっちが億泰のザ・ハンド。出してないけど康一くんのはエコーズ、だよね」


だよね、と聞きながらも、確かな確信はある。
4人は目を見開き、私を見た。


何者だ、テメー、と仗助は殺気を飛ばす。
康一くんもエコーズを出して戦闘体制に入った。
あぁ、やっぱりエコーズ可愛い!持って帰りたい!
殺気が飛び交う中、私一人がそんな和んだ空気を出したため、というか、そんな和んだ空気が康一くんに向けられたため、由花子がキレ気味に言った。


「ちょっと、質問に答えなさい!あなたはスタンド使いなの!?」

「え?違う違う!説明すると長くなるんで露伴の家まで来ませんか」


思えば説明はかなりめんどくさいのだった。
信用してもらえるかも分からないし、ここは露伴に頼んだ方が圧倒的に楽である。


「露伴先生のこと知ってるの?」

「おうよ。きっと説明したって信じられないと思うから、露伴に証明してもらった方が納得いくでしょ」

「つーかよぉ〜、お前ホントにスタンド使いじゃねぇの?」

「うん。別になにも変わったことないもん」

「でもスタンドは見えてるんだよな?」

「…そうだね」


そういえば私の目にはハッキリスタンドの姿が写っている。
スタンドはスタンド使いにしか見えないはずなのに。


「うーん、まぁ、それはおいおい考える」

「仗助〜なんかこいつ、別に悪い奴じゃない気がしてきたぜ」

「…能天気な奴だな」


失礼な。
やっぱり夢小説みたいに甘い展開へと持っていける気がしないのです。


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