NON




「君を殺させてくれ」

「っ……!!」

「君があまり人を殺すのはやめろというから我慢していたんだが、そろそろ殺人衝動を抑えるのも限界でね……ディアボロあたりで発散しようと思ったんだが居ないようだしな……」

「えっと、私まだ死にたくないんでそれ以外でお願いしたいんですけど……」

「ならその辺の女を殺してこよう」

「それもだめですっ」


立ち上がろうとする吉良の手を名前が咄嗟に掴んだ。
自分のせいで全く関係のない人間が死ぬのはさすがに気分が悪い。


「君は……あまり怖がらないな」

「怖い……?吉良さんが?」

「……」

「人殺すのはちょっと怖いですけど……吉良さん自体は別に怖くないですよ」

「前から思っていたが、君は本当に肝が据わっているな……」

「そりゃまぁ……こんなとこで生活なんて神経図太くないと無理ですよ……」


吉良はすでに落ち着いたようで、軽く笑った。
その様子に名前もホッとするが、依然手を離してくれる様子はない。




| |

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -