NON

露伴先生に妹なんていたのかァ〜と億泰。
露伴は嫌な奴らに出会った、とばかりに苦い顔をしている。
俺はというと露伴の横から顔を出している女の子に釘付けで、微動だにできないでいた。
しかし次の瞬間女の子が発した言葉によって俺は覚醒する。


「あぁ〜!もしかしてクソッタレ仗助とアホの億泰!」

「ハァ!?」

「お兄ちゃんからよく聞いてます」

「アホって……」

「テメー露伴なんて教え方してんだ」

「間違ってないだろう、もういいだろ名前、帰るぞ」

「えーっ杜王町案内してくれるって言ったのお兄ちゃんじゃない」


変な覚え方をされていた。
このままでは第一印象クソッタレになってしまう!
慌てて俺は呼び止める。


「え、えっと、名前さん?」

「はい?」


また綺麗な顔でニコーと笑う。
グ、グレート……。


「俺っ!東方仗助って言います、仗助って呼んでください」

「じょーすけくん」

「グレート!」

「おいッ仗助!名前に構うんじゃあないッ!」

「すみません、過保護な兄で」


名前さんがそう言って笑うと、露伴はうるさいな!とプンプン怒って名前さんの手を引いて行ってしまった。
あぁ、この恋はとてつもなく大きい障害があるようだ。
彼女の父親は知らないけれど、彼女の父親よりもめんどくさいに違いない。
彼女と仲良くなるには骨が折れそうだが、でも落ちていく恋心を止めることなんてできなかったのだ。


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