NON

なんで…諦めるんだよ。


「だって露伴先生、美人な彼女さんが居るんでしょ?」

「…誰のことを言っているんだ」

「前にこーいちくんが来たとき、後から美人な女の子が露伴先生の家に入っていくとこ、見たんです」

「…」


それはもしかして、プッツン由花子のことを言っているのか…?
あの日は確かに由花子は家に来た。
しかしそれは、随分康一くんを引き止めてしまったせいで、プッツンした由花子が迎えに来ただけだ。
何を勘違いしたんだこいつは…というか、あの日はあのまま帰ったんじゃなかったのかよ。


「じゃ、じゃあ彼女さんじゃないんですか!?」

「そんなものを作ってる暇なんかないんだよ。…ストーカーに付きまとまれているせいでな」

「てっきりあの人が先生の恋人なのかと…」

「あのプッツンを制御できるのは康一くんだけだ」


あの日も散々だった。
せっかく修理した家がまた破壊されるところだったんだからな。


「よかった…」

「…」

「じゃあこれからも私、ずっと露伴先生のこと好きでいていいんですね」

「…好きにしろよ」


この鬱陶しいストーカーにずっと好かれているってのも、悪くないと思ってしまったぼくは、イカれてるのかもしれない。
だがとにかく、今ならいい漫画が書けそうだ。



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