NON

そういえば、とアバッキオが呟いた。
最近めっきり平和になり、アジトには暇を持て余した仲間が集まっていた。
ナランチャとフーゴは学校で居ないが、それ以外は仕事もないのにやることもなく結局アジトで不足の事態に備えるという名目でアジトに集まっていた。
忙しいはずのジョルノまでいるのは、ご愛嬌である。


「お前らって、どっちが上なんだ?」


アバッキオがいうお前ら、というのは先日晴れて恋人同士となったミスタと名前である。
本人たちの中では紆余曲折を経てのゴールインであったが、はたから見れば最初からこうなることはわかっていたので、付き合うことになった、と二人が発表したときもふーんそうなんだ、くらいのものであった。
一人ブチャラティだけは驚いていたようだが。
ともかく、恋人同士だが男同士の二人は、仲間たちの興味対象になっていたのだった。


「あ、それ僕も気になってました。やはりミスタが上なんですか?」

「上って……お前らな……」


言っている意味を理解してミスタは気まずそうに目を逸らしている。
一方ブチャラティと渦中のはずの名前は意味がよくわかってないらしく、名前は頭にハテナマークを浮かべているし、ブチャラティは「パッショーネにはいったのは名前の方が後なんだから、上はミスタじゃあないのか?」などと検討はずれのことを言っていた。


「ちげーよブチャラティ、上っつーのは……」

「ちょ、ちょっと待てってアバッキオ……俺と名前はまだ」

「えっまだなんですか?あんなにベタベタしてるのにまだ手も出してないんですかミスタ……童貞なんですか?」

「ジョルノォ……テメー俺のこと嫌いなのか?アァ?」

「よくわからないがミスタ、童貞は恥じることではないぞ」

「童貞じゃねぇよ!!」



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