NON

ミスタと名前は無事仲直りできたようだ。
ミスタが名前に愛のコクハクなんてものをした、と聞いたときは驚いたが、とりあえずは保留になったらしい。


「聞いてくれよアバッキオ」

「どーせまた惚気だろうが……」


しかし、それからというものミスタのアプローチが始まったらしく、名前は以前の勢いがなくなっていた。
相変わらずミスタの横にいるが、前ほどべったり常に一緒ではなくなったようだ。
だが今も隣に座っている。


「昨日さァ……風呂入ろうとしたら、ミスタが俺も一緒に入ろうかな、とかいってくるんだぜ」

「それはキモイな」

「キモイってひでぇなオイ。つーか名前お前出会ったばかりのころ一緒に風呂までついてきてただろ!人のこと言えんのかッ」

「あれは……!あのときはいいけど、今は恥ずかしいだろ!」


目の前でじゃれ合い始めた二人に、ついつい眉間のシワが深くなる。
なんだ、これ俺必要か?テメーらでやってろ!
男同士のいちゃこらを見せつけられながら遠い目をしていると、ミスタがブチャラティに呼ばれて別室に行った。多分仕事だ。最近はミスタと名前は別々に仕事をすることもあるようになった。
残った名前はミスタになにかからかわれていたらしく(話の内容は聞く気がなかったので、聞いてない)、むっつりしていた。
つーか、お前らどう見ても……


「なんなんだよオメーら、結局くっついたのか?」

「え?いや……」

「めんどくせーし遠回しに言うのも嫌いだからハッキリ言うが、名前ミスタ好きだろうが」

「好きだけど、恋愛感情とかわかんねぇんだよ」


ううん、と名前は頬を染めて俯いた。
やめろ、赤くなるな。男の赤面とか見てなにが楽しいんだよ……そういう顔はミスタにだけ見せてろ。
もうめんどくせーなこいつら。



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