NON

あれから俺たちは、アジトに着くなりぶっ倒れた。
そりゃあ、あんだけ血を流したんだ、アジトまで帰れただけいい。
目を覚ますとブチャラティがいて、しばらく仕事はないからゆっくり休んでくれ、と言った。
名前はまだ目を覚まさないらしいから目が覚めるまで仮眠室で寝かせておこうということになった。
一人で家に帰り、一人で寝床につくのはいつぶりだろうか……。
勢いあまって想いをぶつけてしまったが、気持ち悪がられるかもしれない。受け入れてもらえないかもしれない。
いくら俺にべったりでも、名前の好きと俺の好きは違うのだ。
いつになく不安になりながら早まっちまったかもな、と思いつつ眠りについた。

次の日、アジトに行くと名前はもう目を覚ましていたようだ。
ブチャラティ曰く、俺が帰宅した直後に目を覚ましたらしいのだが今日は仮眠室に泊まりたいと言ったらしい。
あー、これは完璧に避けられるパターンだな。
その証拠にアジトにはいるはずだが俺の側に寄ってこない。仮眠室に篭ってるようだ。


「お前らなんかあったのか?痴話喧嘩か」

「痴話喧嘩……だったらよかったんだけどなァ」


アバッキオがニヤニヤしながら軽い口調で聞いてくるが、ため息を吐きながら返すとマジでなんかあったのかよ、と真面目な顔になる。
アバッキオはこう見えてチームの和を大切にする。
珍しく別々でいる俺たちを心配しているみたいだった。
横にいたフーゴも話を聞く体制に入っている。


「ここまで避けられるとは思わなかったんだがな……」


俺はアバッキオとフーゴに昨日のことを、かいつまんで話した。
もちろん俺の熱い告白なんてのは、詳しく話さないが。恥ずかしすぎるしな。


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