NON



「つーか恋ってなに?」

「俺に聞くのかよ……」

「恋っていうのはですね」

「うわっテメージョルノ何時の間に…ッ」

「恋とはするんじゃあなくて、落ちるものなんですよ」

「無視かよ」


突然背後から現れたジョルノが、名前に諭すように力説した。
いや、意味わかんねーし。
だが好都合だ。俺に恋だのなんだの聞かれても、上手く答えられる自信はない。
その点ジョルノなら上手く答えて尚且つ誘導してくれそうだ。


「名前、ミスタといるとどんな気持ちになりますか?」

「うぅん、……なんか、最近ドキドキするし落ち着かない」

「では離れていればいいじゃないですか」

「でもそばにいたいし」

「では、名前、僕のこと好きですか?」


あとついでにアバッキオも、とジョルノが付け加える。ついでは余計だ。
名前はすぐ好きだよ!とニコニコ笑う。こいつはよく好きだ好きだと言うが、それは懐いているだけである。


「では僕たちの好きと、ミスタの好きは同じですか?」


ジョルノが言い聞かせるように名前に言う。
名前は目をパチパチさせて、考え込んだ。


「なんか、違うかも?」

「そこまで分かっているならもう答えは出てるでしょう、名前はバカですがアホではないですから」

「ジョルノってやたら辛辣だよね……」


ありがとうございます、とどう考えても褒められていないがジョルノはニッコリ笑ってブチャラティに用があったのですよ、と立ち上がった。
名前はまだ悩んでいるらしく、下を向いたままだ。
あぁ、ほんとこいつらめんどくさい。答えはもうとっくに出てるだろうが。
俺は今日何度目かの深いため息を吐いた。

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