NON

名前が自分を犠牲にしてまで俺を助けようとしたこと、それに腹が立って思わず告白してしまったこと、名前は俺をそういう意味で好きではないこと、どうしたらいいかわからなくて避けられているだろうこと。
短めに話し終えると、案の定二人は若干引いていた。


「は?お前名前のこと好きだったのかよ、そう言う意味で…あんま近づくなよ俺に」

「バカッホモじゃねーよ!名前は特別だ」

「へぇ…ミスタがそこまで入れ込むとは珍しいですね」


俺だって今まで付き合った女の子くらいいるが、どいつも長続きしないというか……だいたいめんどくさくなって会わなくなるか、向こうが多忙な俺に愛想を尽かすかどっちかだった。
そういうのが続いたので、わりとその辺の女の子をナンパして1日だけ遊んでサヨナラってパターンが多かった。


「どっちかというと名前のほうが好き好きオーラ発してたからなぁ…」

「俺だってよォー最初は神経疑ったぜ…だって男だぞ?おっぱいねーんだぞ?柔らかくもねーし」

「……」

「……」

「おいそんな目で見んな!お前らには興味ねーよッ!!」


女の子は好きだ。
柔らかいしいい匂いがするし、かわいいし。
でも、やっぱ名前じゃなきゃ駄目になっちまったんだよなぁ。

お前らに相談した俺がバカだったぜ、と俺は席を立った。
俺が居なくなったあと、


「ハァ、鈍感ヤローはどっちだか」

「二人とも、相手のことしか見えてないんですね…フフ」


二人が苦笑していたのには気づかなかった。

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