NON



「うグッ…」

「ミスタ!!」

「大丈夫、だ、それより見たか!」

「う、うん…壁と同化してたように見えた」

「チッ…カメレオンかっての」

「……」


またナイフが飛んでくる。今度は腕で受け止めたが、まぁ腹に穴開くよりマシだ。
名前も何本か受けたらしく、後ろでうめき声を上げた。
こいつは結構めんどくさい敵だぞ。ジョルノ、あとでたっぷり礼はさせてやるからな…。
どうやら敵は、攻撃の際必ず姿をあらわす。だがそれは一瞬で、遠距離からこうもちまちまナイフを投げられたら先にこっちが出血多量で倒れちまう。
どうしたもんか、と痛む腹をさするが、ふと違和感を覚えた。
あれ、痛く、ない?


「傷が……」

「……ハ、ハァ…ハァッ」

「おい名前、まさかお前スタンド使ったのか!!」

「……だって、」


何考えてんだこいつは!致命傷ではないが、結構深かったはずだ。
腕の傷も、今は俺の腕にはない。
名前のスタンド能力で、名前の体に傷を移動させていたのだ。


「余計なことするんじゃねー!テメーの傷の面倒ぐらいテメーで見る!!」

「だって!ミスタ……死んじゃったら……」

「名前」

「ミスタが死んだら、俺はどうやって生きていけばいいんだよ、ミスタは俺がいなくても生きていけるけど、俺はミスタがいないと生きていけないんだよ」


ああ、こいつはどこまでアホなんだ。


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