俺は全部知ってるよ
いろはが政宗のことを好きなのも、
だから毎日政宗が好きな青い色のシュシュをつけてるんだってことも
いろはは政宗がなかなか気付いてくれないの、って切なそうに笑うけど、
政宗がいつもいろはと話してるとき、そのシュシュを見て嬉しそうにしてるのを俺は知ってる
政宗は聡くて脆い。だから周りに気を遣いすぎて疲れてパンクする。
だから、余計な気を使わなくていいいろはの隣が好きで、ずっとそこにいたいって思ってるのも知ってる。
似た者同士だからきっとお似合いだ、ってことは周りの友人皆が知っている
でも聡くて人に気を遣いすぎる政宗だからこそいろはに思いを伝えることも、いろはの思いを受け取ることもしないんだ
俺もいろはが欲しいってこと、政宗も知ってるから
仲良し、って不便だね
「佐助はさ、結局いろはをどうしたいの?」
「どうって?」
「好きになってほしいのか、それとも、好きになりたいのか」
「…さあ。分からない。」
慶次の言うことは時々難しい
俺がとうの昔に悩むのをやめたことばかり問い詰めるのだ。なんなんだあいつは。
せっかく楽しみを独り占めできそうなとこなんだから、邪魔をしないでほしい。
この俺達の三角形のいびつさを理解してるのは俺だけで、つまりはこのいびつな形を変えれるのも俺だけなのだから。
だから今度、何も知らないいろはに緑色のシュシュをあげてみようと思うんだ
政宗に負けず劣らず聡くて優しいいろはだから、きっとすっごくいい顔をしてくれるんだろう
俺は、その後の三角形がどうなるのかが知りたいんだ
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