爆豪次の授業一緒に移動しよう。爆豪お昼一緒に食べよう。爆豪一緒に帰ろう。爆豪爆豪爆豪。


「っせーんだよ舐めプ女ァ!! まとわりついてんじゃねえっ!!」
「ごめん」
「ごめんじゃねえんだよ! 鬱陶しい!!」


またやってるよーと日常茶飯事の光景に皆が笑っている中でずんずんとなまえと爆豪の間へ割り込んだのは八百万だった。なまえを庇うようにして立った八百万はキッと爆豪を睨んだ。


「なまえさんがせっかく誘ってくださっているのに鬱陶しい発言はありえませんわっ」
「あぁ? 関係ねーだろ」
「あります! う、羨ましいにも程がありますわ!」
「羨ましかったんか」


耳郎が苦笑しながら八百万に確認を取れば恥ずかしそうに頷いた。肩を叩かれ八百万が振り向けば微笑するなまえ。八百万が見とれているとなまえは口を開いた。


「よくわからないけど、今日のお昼一緒に食べる?」
「いただきます……っ!」
「……待てや」
「爆豪さんはなまえさんが鬱陶しいのでしょう。どうぞ一人でお食べになってください」
「? 別に三人で食べればいいと思うけど」
「何が悲しくて三人揃って飯食わなきゃなんねぇんだよ……腹立つわクソが。テメェが一人で食え」
「お断りしますっ」


ぷいっと八百万がそっぽを向きそれにイラついた爆豪がキレる。ここまでがセットで日常だ。爆豪の周りをうろちょろするなまえと、邪険に振る舞いつつも満更でもなさそうな爆豪。そしてなまえに懐いた八百万。最近では一日一回このやりとりがないと物足りない者まで現れてしまっているほどだ。言い争いをしている二人だがおそらくもうすぐで静かになるだろう。耳郎が予想をしてすぐそれは現実となった。


「……三人で食べたかったんだけど」
「っ、今日は三人で食べますわよ爆豪さん!」
「俺に指図すんじゃねえ!」


しょぼんと効果音でもつきそうなくらい落ち込んだなまえを見て意見をころっと変えた爆豪と八百万。狙ってやっているわけではなくこれを素でやるのだからなまえは恐ろしい。よかったと安心した笑みを浮かべるなまえにほっとした様子の八百万と舌打ちをする爆豪を横目にクラスメイトは自分の席につき始める。


「これ絶対放課後もどっちと一緒に帰るかで揉めるよなぁ。帰るとこ一緒なのに」
「いいんじゃないの。ウチあの三人のやり取り好きだし」
「それは俺も」


上鳴の予想通り放課後もちゃっかり言い合いをして結局三人仲良く下校していた。八百万も爆豪も、なまえには勝てないらしい。



サニーシロップ



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