儀式の意味

《入手:第七幕。神社。茨羅・澪》


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遥か昔、この村を大きな災厄が見舞つた。それは村人を苦しめ、多くの者達の命を奪うものだつた。

原因は村の裏にある湖に住まう水神様の怒りを買つてしまつたことにあるのだろう。水神様の怒りにより吐き出された障気が村を襲つたのだ。

村人はどうにかその怒りを鎮めやうと、贄を差し出すことにした。それにより見事に災厄は鎮められ、以来欠かさず水神様に贄を差し出す決まりとなつた。

これが水鎮メノ儀の始まりだ。

後に贄は蛟龍ノ巫女と名を改められる。



巫女を差し出し続けた甲斐もあり、以降災厄に見舞はれることもなくなつた村では、次第に災厄に対する畏怖が薄らいでしまいつつあつた。それは徐々に儀式そのものへの疑問へと繋がり、我々はただ人を殺めているに過ぎぬのではないかといふ疑念へと繋がつた。そのため、その儀式は村を災厄から守るためだけではなく、村への加護を得るためでもあると、密やかに変じられた。









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