トウ
そう言えば……。
「澪ちゃん、どうしてるだろう」
トウ・レンラク
立花家でお世話になるようになってから、私は樹月たちからこの時代についてを学んだ。
……本当は、学校という場所に行くべきらしいけれど、とりあえず義務教育というものの年齢は過ぎているということで、行かなくてもいいことにしてくれたらしい。
とにかく、お世話になってばかりいるのも悪いので、家事はできるだけ私に任せてもらうことにして……。
もう少し慣れてきたら、あるばいと、というものもしてみたいと思っている。
……それはまだ、誰にも言っていないことだけど。
それから、兄に言われた、ヒナサキミクさんも、少しずつ捜し始めている。
それについては樹月たちも協力してくれていた。
……そのひとに会えれば、兄に会えるかもしれないから。
いろいろと考えを馳せていたら、ふと澪ちゃんのことが脳裏をよぎり、そういえば今どうしているのだろうかと気になりだす。
別れて以来連絡はとっていなかったけれど、あの村の蔵で別れた時に、連絡先だけは教えてもらっていた。
……繭ちゃんのことでも、心配だし。
一度、ちゃんと連絡をとってみよう。
そう思って、私は彼女の連絡先へと電話をかけた。
トウ・了
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