駄目かもじゃなくて駄目だろ
100307 00:42
「はっちゃんにウザイって言われた。俺、もう駄目かも」
「あっそ」
「……」
「何、その目は」
冷ややかな視線を向けられた兵助はため息をついて机に突っ伏した。
「駄目かもじゃなくて駄目でしょ、兵助の場合」
「なんでそんなこと言うのかね、雷蔵くんは。俺泣いちゃうよ?いいの?」
雷蔵は兵助の非難も全く気に留めずに目の前のレポートに取りかかる。
「雷蔵の邪魔しちゃ駄目だろ、兵助」
「よく言った!勘右の言う通りだぞ兵助!雷蔵は今すごく忙しいんだぞ!な?らーいぞっ」
「うるさい三郎黙って」
「…」
そんなやり取りに再び兵助はため息を漏らす。
「そんなに落ち込むなよ…ホラ、豆腐やるから」
「いらない」
「「「な!?」」」
兵助の言葉に三人は驚愕した。そんなことを言うとは…いよいよおかしい。
「久々知兵助くん…どうしたんだよ…?」
「実ははっちゃんにウザイって言われたのは…豆腐が原因なんだ…俺が豆腐の成り立ちを話したらウザイって…」
「それは確かにすごくウザイよね」
「八、かわいそうだ…」
兵助は尚も続ける。
「だからさ、俺は豆腐を嫌いになるんだ」
「「「いや何でだよ」」」
「豆腐を嫌いになったらはっちゃんにウザイって言われなくなるんだ…」
「「「…」」」
こいつ駄目だ…早くなんとかしないと…と三人が思ったのは言うまでもない。
まえ つぎ