最近始めたソシャゲに珍しくハマってしまい、もう一回クリアしたら寝ようと決めてスタミナ回復を待っている無意味な時間。時計は日付の境目を差している。
なにもする事がない。暇でだんだん眠くなってくる。それでも諦めて寝ようと思わないのはただの意地だ。寝ないように隣の背中に頭をぐりぐり押し付ける。いつもの匂いがした。
「もう寝えや」
「あと10分くらいだからあ」
「その意地を他のことに使えや」
「もっとやさしく応援してよ」
基本的に規則正しい生活をしている彼、鳴子がこんな時間まで起きていることなんて滅多にない。彼はテーブルにエナジードリンクと文房具を並べ、来るべき試験に向けて一夜漬けと洒落込むようだ。勉強の邪魔をされて苛立っているのか、休憩の理由ができて喜んでいるのかよくわからないけど、とりあえずかまってはくれるようだ。なんだかんだとやさしい。
「お手伝いしようか、勉強の」
「アホ、お前わからんやろ」
「そうだけどほら、暗記とかさ。一問一答系のやつ読んで出題するとかさ、あるじゃん」
「そうやなあ…じゃあ、このプリント」
私と鳴子は同居しているけど学年どころが通ってる大学も違う。もちろん学んでいる内容も。
「この教授、講義の半分は自分の自慢話やねん」
「え〜それで講義大丈夫なの?」
「慌てて最後に資料と問題配りまくるから今ワイが苦労せなあかんねん」
「なるほどね、でも鳴子くん、計画的に配られても直前まで自転車優先でしょ」
「それは言わん約束や」
「あら失礼」
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