私はお酒が好きだ。ひとりで呑むのも良いが、お喋りしながらお酒を飲むのが大好きだ。口の減らない六つ子たちと呑むのも好きだ。だから彼らに誘われれば大体参加する。今回もそんな夜だった。

翌朝、ベッドから起き上がると床にチョロ松が土下座していた。
一瞬思考が停止する。次の瞬間自分の体を見た。服きてる。

「おはよ…チョロ松」
「ごめん…昨日の記憶が全くないんだけど…もしかして僕なんかした…?」

昨日は特にお酒が進み、またとない盛り上がりを見せた。最初にカラ松、次に一松と順番に潰れていくなかで、チョロ松はかぱかぱと日本酒を煽っていた気がする。そんなに呑んで大丈夫?と聞いたら、首まで真っ赤にして、呑まなきゃやってらんないよとかなんとか言ってた気がする。あとなんかおそ松にからかわれてた気もする…うーん、その先は二日酔いの頭痛に紛れて掴めない。
何も無かったことにしよう。それが平和だ。どうしてチョロ松だけ家にいるとか、昨日の夜中に何があったのかとか、暴かない方がいいこともある。
だから私はつとめて明るい口調で答えた。

「んー、すっごい絡んできてさー離れなくなったから一緒に帰ってきただけで何もしてないよ〜」

チョロ松は心底ホッとした顔をした。
その顔をみて何故か、いたずらごころが芽生えた。

「大変だったよ〜私に抱きついて好き好き甘えてくるからさー」
「えっ…」

ニヤニヤしながらチョロ松の様子を伺うと、目で見てわかるくらい一気に顔が赤くなった。わたわたと大きな身振りで慌てたり、何かを叫びかけたり、視線を右往左往させてしばらく「慌てている」を体現していたチョロ松だが、やがて俯いてしまった。もう耳や首まで真っ赤に染まっていて、心なしか震えている。

「わ…わ、わすれて…」

あ、なんかきゅんとしちゃった。
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