「たまにね、羨ましくなるよ。男子たち」

遠くの景色を見てつぶやく。

「本気で戦って、本気で信頼しあって、泣いたり笑ったりする。そういう、青春?みたいなやつ」

「でもね、私はこれでいいんだ」

「だって、男だったら今こうして荒北といることもなかっただろうし」

そう言って彼女はいたずらに成功した子どもみたいに笑う。俺は頬に熱が差したのを感じた。
握った手は小さく、暖かかった。爪が食いこみそうなほど握りしめると、自分のものにできそうな気がした。
でもそうはしなかった。この自由なにおいが好きだからだ。
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