すべらかな戦争


「これは…ちょっと問題だよなぁ」
「せやねん。みょうじちゃんもめっちゃ怖がっとってかわいそーです手嶋さん。
「いえ、あ、あの私は大丈夫です」
「ええねんてー遠慮は!みょうじちゃんはもう立派なワイらの仲間やからな。困ったスカシからは守ったらなアカンねん。な?手嶋さん!」

やけに熱心な鳴子さんに、手嶋さんは含み笑いをして「んー」と息を伸ばした。

「そうだな。なんか考えてみるよ」

そういう手嶋さんは飄々とウィンクをして見せた。

▼△▼

「と、言うことで今泉。今日はみょうじとテーピング買ってきてくれ」
「何がと言うことなんですか。買い出しなんて、1年に頼めばいいじゃないですか」
「あの店ちょっと入り組んでるとこにあるから案内人がいた方がいいだろ?」
「俺じゃなくてもいいでしょう、杉本に行かせてください」
「まあそう言うなって。たまにはゆっくり散歩でもしてこいよ。」

手嶋さんはにこにこ笑いながら今泉さんにお金を握らせ、部室から追い出してしまった。私に買い物用のメモを渡して、こっそりウィンクをくれた。少し不安に思いながら鳴子さんの方を見たら、声を出さず口を動かして「が・ん・ば・れ」とメッセージをくれた。
ちらりと今泉さんの方に目を向けると、一瞬目が合いすぐに逸らされてしまった。「さっさと終わらせて練習に合流する。急ぐぞ」そう言った今泉さんは既に歩き出していて、私も慌てて後を追う。

どうしよう。まったく気が進まないのだけど。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -