*知念⇒平古場
「わん、平古場の事しちゅんよ」
部活帰りの帰り道。
たわいない話からどう飛んだのか不明な唐突の告白に、俺は不覚にも動揺してしまった。
どう返すべきか困惑し、少し間を置いてからやっとある事に気付く。
あぁ、今日って4月1日じゃん。
知念にしてやられるとは、俺もまだまだ甘い。
「知念も意外とノリがいいんばぁね」
「?」
俺の言葉に不思議そうに首をかしげる知念。
「エイプリルフールって言うの忘れてて、ちょっと焦ったあんに」
「あ、」
すっとんきょうな声を上げた知念に、今度は俺が首をかしげる番だった。
「そっか、今日は4月1日かぁー」
一人感心している知念。
はい?もしかして気付いてなかったんですか?
さっきのは嘘じゃなかったのかなんて、確かめる勇気はとても無い。