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『仁王』

「何じゃ」


この男は、全くこっちが何?だよ。


『何じゃじゃない、離せ

断る

『動けないんだけど』

「動かなくていいじゃろ」

『良くない、離して』

「嫌じゃ」


もう、マジ誰かコイツどうにかして!!

あろうことか更に抱き締める力強くしやがった…!!
一体どうしたのだろう、彼らしくもない。


何時もの自信有りすぎるくらいの態度はどこへやら。今の彼は駄々をこねる子供のように私に抱き付いたまま離れない。


後ろから私に抱きつき肩口に顔を埋めている。不覚にも可愛い、と思ってしまうのは惚れた弱みなのか。


『…仁王、何かあった?』


ぴくり、と仁王の体が震えた。


え、何、何か猫みたいで可愛いんだけどこの子

軽く血が湧いた気がするぜ。


『仁王、どうしたの?』

「…昨日、な」

『うん』

「俺の誕生日だったんじゃ」

『うん、…って、え?


マジですか。

驚いて思わず未だ肩に顔を埋めている仁王を見つめる。

軽くショックでフリーズしていると仁王が寂しそうに呟いた。


「昨日部活があったのは知っとう。けど、やっぱり彼女には一番におめでとうって言ってほしかったんじゃ」


確かに昨日は部活で他の学校へ練習試合に行っていた。

だけどそんなのは言い訳にすぎない。

せめて、電話くらいしてあげれば良かった。


ってゆうか彼氏の誕生日知らないとかマジ無いよね


私最低じゃん、と自分を罵っていると仁王が更に呟いた。


「だからな」

『う、うん』


私を抱き締める力が強くなった。

ごめん、痛い(泣)


今日はお前さんを頂こうと思っての

『うん、…って、は!?


い、頂くって、ま、まさか…!!


「そのまさかじゃ(妖笑)」

何気に心読むな!!


って、わー!!
いつの間にかベッドに押し倒されてるー!!


『ま、待った!!仁王!!』

「安心しんしゃい、優しくしちゃるから」

そうゆう問題じゃない!!って服に手を掛けるなあぁあ!!

「プリッ」


意味わかんないからね!?


何とか、その日は私の必死の抵抗により私の純情は守られたがあの日以来仁王は私に迫ってくるようになりました…。




(^ω^)------------->
煌々堂様より
奪っ…頂いてきました!!←
におくんは人の話を聞かないと思う(切実に)




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