zzz | ナノ
白い文字で埋め尽くされた黒板を一生懸命写してたら、視界に白いものが舞っているのが見えた。それが紙ヒコーキだと理解するのにそう時間はかからなかった。なぜなら、
こつん
「…頭に刺さったんだけど」
誰ですか授業中に紙ヒコーキなんて飛ばすクソガキは。深呼吸してヒコーキを開くとシャーペンででかでかと「ばっかだろぃ」と書いてあった。
勿論このまま許す訳にもいかないのでノートの一番後ろのページをびりびり破いて「黙れハゲ」と赤ペンで書いてやった。
それをそのまま折って(小学校のときに兄貴が教えてくれた殺人的な鋭さを持つ折り方で)、教室で一番目立つ赤い髪に向けて思いっきり投げた。ざくっといい音がしたと思ったらそいつは思いっきり叫んだ。
「いってー!何すんだよぃ!」
「丸井うるさい」
叫んだ直後、先生に睨まれて怪訝そうな顔をしてる。はん、ざまあみろ。さあ、これで授業に集中できる。あたしだって最近やっと受験生の自覚出てきたんだから。
さくっ
…なーんて、そうだ、やつはあたしと同じ属性だった。
「やられたらやり返す!勝負だ丸井ぃいいいい」
「受けて立つぜ苗字!」
「お前ら、廊下に立つのと皆の恨み買うのとどっちがいい」
「「廊下で」」
091023
(ありきたりなパターンで・丸井)