※色々捏造。年齢操作あり



最初は誰かを待っているのかと思っていた。だけど、次の日もそこにいて、また次の日にも、やはり同じところに彼はいた。
きらきらした綺麗な金髪に、遠目からでも分かるくらいに整った端正な顔。
一週間だ。青峰が彼を見かけるようになって一週間。流石におかしいとは思ったけれど、もしかしたら何か事情があるのかもしれないし、青峰は俺には関係のないことだと気にせず横を通りすぎる。
そして、あれからまた一週間が経ったある日、天気予報では晴れと報道されていたのに仕事が終わり会社を出ようとした時にはぽつぽつと雨が降りだしていた。
くそっ、と悪態を吐いても雨脚は弱くなるどころか寧ろ強くなり、いつの間にかバケツをひっくり返したような土砂降りになっていて溜め息が漏れる。
天気予報を信じて外に出た青峰が傘を持っている筈もなく。仕方無く傘を買いに近くのコンビニまで走る。案外近くにあったためそれほど濡れなくて済んだが、ワイシャツが肌に張り付いて気持ち悪い。
さっさと帰ってシャワーを浴びようと思い、足早に家を目指す。

「あ?」

驚きと疑問が混ざった声を青峰は発した。
自然と眉間に皺がよる。
何故なら、いつもの場所に傘もささず蹲ってる彼がいたからだ。
この時の行動は青峰自身でもよく分からない。体が勝手に彼の方へ向かい、無意識に口が動いていた。

「おい」
「……なんっスか」
「お前こと何やってんだよ」
「あんたには関係ない」

ぶっきらぼうな口調に少しイラッとしたが、青峰は気にせず続ける。

「行くとこないなら、俺ん家くるか?」
「…………はぁ?」
「こんなん見て放っておける程、冷酷な人間じゃねぇし。それに、ここで死なれたら俺が後味悪くなるだろ」
「意味分かんねぇ…」

ぐいっと彼、―――黄瀬の腕を掴み引っ張る。どうやら青峰のなかではもう、黄瀬が青峰の家に行くことは決定済みらしい。
無理矢理立ち上がらせた黄瀬の手を引き強引に歩き出す。その横暴さに抵抗する気も起きないのか大人しく青峰に付いていった。

部屋に上がらせ、風呂に突っ込み着替えを用意する。
どうしてあのような行動をしたのかは分からないが、まぁなるようになるだろと青峰は満足げに一人頷いた。




2012/08/08

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