いつからだろう。あの人を見るだけで、こんなにも胸が苦しくなったのは。
点を入れる度に見せる年相応の笑顔が、横暴なくせにたまに優しくなるところが、ボールを巧みに操る大きな手が、長い指が、俺の名前を呼ぶ声が。彼の全てが俺を魅了する。


好きだと、これが恋であると自覚した瞬間、今まで胸でつっかえていたもやもやとした気持ちが、すとん、と綺麗に自分のなかに収まった。
だけど、彼と話す度に増していく締め上げられるような苦しさ。この感情を、自分の思うままに相手に伝えることが出来たなら、なんて。そんなことをしたら嫌われてしまう。

嫌われたくない。想いが通じ合わなくてもいい。今の関係が崩れてしまわないように。
そう願いながら、俺はこの感情に蓋をした。





2012/07/21

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -