いさはせ[R-18]
2015/10/25 21:38

※ふたなり夢主×男キャラのエロです



何度目だ。正直、この部屋にそういった目的で入るようになった回数を、長谷部は覚えていなかった。

「……お待たせして、申し訳ありません。」
「いや、構わない。」

もちろんこの部屋の、この本丸の主である目の前のその人もそうなのだろうと思う。視線を上げ、昼間よりは少しぎこちなく会話を交わす。
伊佐庭花緒ーーー長谷部が仕える主君は、彼より先に自室にある備え付けの風呂で湯浴みを済ませたようだ。普段襟巻きに隠れている髪は、先が半乾きになった状態で肩より下をゆらゆらと揺れていた。
はせべ、視線を少し斜め下へやっていると甘い声で名を呼ばれる。忠誠と信頼という線を越える、誘うような声だ。ような、は要らないかもしれない。誘う声、それにつられて長谷部はにじり寄る。
長谷部の手の甲に、伊佐庭の手のひらが重なる。ぐっと、伊佐庭が身を乗り出すのに合わせて少しかがむ。触れるだけの口づけが、はじまりの合図だった。

啄むように何度か唇と唇を重ねて、下唇をぺろりと舐めれば長谷部がおずおずと口を開く。期待するようなそぶりを見せる舌に伊佐庭が己のそれを深く絡めて上顎のところを舌でゆっくりなぞると、すんと鼻から息の漏れる音がした。
そのまま伝うように頬へ唇を落として、耳へ。されるがままの長谷部を見て、伊佐庭は苦笑する。
短刀たちと同じくらいしか背丈のない伊佐庭と打刀の長谷部の体格差は歴然だ。振り払おうと思えば容易いだろうに。完全に嫌われているわけではないとはいえ、立場を利用した行為に伊佐庭の胸はじくじくと痛む。でも、今さら止めたところで、そうも思ってしまう。
肩をとんと押し、布団へなだれ込む。内股の、足の付け根すれすれのところを触れるか触れないかといった加減で撫でる。口での愛撫は、首筋を通ってから胸へと移動した。

生まれた瞬間からこの形で、手入れさえすればどんな傷でも治ってしまう長谷部の身体は肌荒れのは≠フ字もなく、老いも知らず、美しい。帯を解き、肩を通しただけとなった着流しを左右に開いて、左胸へそっと頬ずりした。そのまま胸の尖りに吸い付き、そこを転がすように舌を動かす。

「んんっ、ぁふ…っ!」

ちゅぱちゅぱと子どもが母親の乳を飲むようにすると、長谷部は熱を逃がすかのようにして顔を腕で隠し、視線を横にやってしまう。
最初は違和感の方が大きかったようだが、最近は以前よりずっとそこで快感を拾うようになってきたらしい。素直に身悶えてくれているのを見ると、気長にやってきた身としては嬉しく思うなと、伊佐庭は長谷部の顔を覗く。
白い肌は桃色に染まり、アメジスト色をした瞳はまるで溶け出しているかのようだ。

「はせべは、やっぱりきれいだな」
「っ、はぁ……ありがとう…ございます……。」

脇腹をさわさわと撫で上げる。情事のときの長谷部は幼いなと伊佐庭は思った。少し起き上がってもらい、着流しと下着を脱がせ布団の外へやる。ちょうどその隣、枕元に置いていた潤滑油を手に広げようとするが小さな手では受け止められず、再び寝そべった長谷部の身体にぽたぽたとこぼしてしまった。

「ヒ…ッ」
「あ…すまない」
「…いえ、平気です……。」

先走りをだらだらと流しているそこにそっと手を添え、上下に扱く。裏筋に触れたり、陰嚢を舐めながらカリ首のところを撫でたりすると、抑えきれなくなった喘ぎ声が長谷部の口から漏れ始めた。ぬるぬると手を滑らせるたびにその声が大きくなっていくのが楽しい…なんて言うと、長谷部には怒られてしまいそうだが。

「ぁあ、っあ、ひ」
「いつも言っているが、我慢はしないでくれ」
「はぅ、は、いぃ…っあ、あるじ」
「…イきそうか?」

そう問うと長谷部は髪を振り乱しながら頭を縦に動かす。手を早めるとそれだけ呼吸の感覚も狭くなった。亀頭に、軽く爪を立てる。

「あるじ、あるじ…っひ、でる…っ」

背筋を反らせて絶頂を迎えた長谷部は、はあはあと肩で大きく息をしている。伊佐庭は手で受け止めた精液を指に広げたあと、そこにローションを足した。
少し呼吸が落ち着いた長谷部と目が合い、それを合図に後ろへ触れる。何回かそこを往復したあと、人差し指を突き入れた。かき回すとぐちぐちと音が鳴る。

「!っあ、〜っだめ、そこ、へんになる…っ」
「……なってもらっても構わないが?」

中のしこりをぐっと押すと、襞が意思のある生き物みたいにうねる。痛みはないようなので中指を足して、慣らす動きから広げるような動きに移った。指が二本になったので、しこり、前立腺を挟むようにして力を込める。腰が動いている。

「あ゛〜〜っっ!!」
「長谷部、前でイキたい?後ろでイキたい?」
「ぅ、わから、なぃ、わからないです…っ」
「駄々っ子め」


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