「……あ、あぁっ!………く、…ひぅ、う…」
ふわふわと気怠く、熱に浮かされたような思考の中。遠くで誰かが苦しんでいる声が聞こえた。最も苦しんでいる、というよりはどちらかといえば嬌声に近いのかもしれない。どこかで聞いたことのある声だと、夢と現の狭間を揺蕩いながらユリウスはぼんやりとそんなことを思った。
「おい、オメェどんだけ薬盛ったンだ」
「睡眠剤とちょっとしたやつ。そんな強いのは使ってないんだけどな……ま、そのうち起きると思うよ。どうせ解さなきゃ入らないんだし丁度いいんじゃん?」
「かっ!だから稚魚は稚魚なンだよ。意識がなきゃつまらねぇ……ったく、」
丁寧に躾けられて快感を拾うようになった後孔を無遠慮に犯していた太い何かがぐるりと内壁を掻き混ぜる。的確にユリウスの良い箇所を刺激していくのが気持ち良くて、与えられる快楽を追うように腰を揺らす。すると一度引き抜くそぶりを見せたそれが、ユリウスの意思を汲み取ってまた奥に潜り込んできた。
「は、ふっ……」
前立腺を優しく撫でられて、きゅうと自分の穴が締まるのがわかる。気持ちいい、気持ちいい。霧がかかったようになった思考をどこかおかしいと感じてはいるものの、何故かそれに抗うことは出来なかった。
「完全に飛んでるなぁ」
こっちの素質もあったのか、と誰かがぼそりと呟いた。聞いたことのある声だ。優しくて、憎らしいこの声。完全に恨めないのは彼がユリウスのことを丁寧に扱っていると分かってしまったからだった。敵国の将であるのに、出来る限り不自由にはさせまいと気遣われていると、そう思ってしまってからは抵抗を続けるのが格段に難しくなった。
「すぐにぶっ壊れるようなタマじゃねぇンだろ?」
「まぁね。でも壊さないでね」
「かっ!誰にモノ言ってンだオメェ。当たり前だろうが」
生暖かく滑りを帯びた何かが下腹部に垂らされて、腹の中を犯すものが増える。