前回の続き


「ねぇさっちゃん…」
「なんだ」
「みんなおしごといそがしい…?」
「あぁ、まぁな」
「ぼく、じゃま…?」

いきなり塩らしいと言うか子供が考えないようなことを言うハヤト。なんて返していいのか分からなくて俺は黙ってしまった。

「トキヤもね…うたのおしごとがあってあんまりいないんだぁ」

そういうとハヤトは黙った。多分自分は除け者扱いをされてるとでも思ってるのだろう。こんな思いをさせていいのかと思い始めた自分がいた。

「俺は歌は歌わねぇし、部屋でいつも作曲してるからそこまで忙しくねぇけどな」
「さっちゃんはうたわないの?」
「あぁ、歌わない。作る」

素直に言ってしまえば俺は忙しくないからお前が来ても邪魔じゃないと言いたかったのだがどうも上手く言えない。膝の上でハヤトは俺の胸元に顔を押し付けて「うぅ〜」と唸った。

「だーかーら」
「…うぅ?」
「俺はお前がいても迷惑じゃない」
「ほ、ほんと!?」
「毎日来ても騒がなけりゃいい」
「さっちゃっ、…!」

がばり、と唐突抱き締められてすごい力が込められる。よしよしと頭を撫でると頬ずりしてくるハヤト。本当スキンシップが那月並みに激しい。

「さっちゃんだいすき!」
「そうかよ」
「さっちゃんは?」
「…別に」
「むぅ…すきっていってよぅ」
「はぁ?」

お前は俺の恋人か、と言いたくなるのを抑えて適当に話を流そうとしてもハヤトはまだ催促してくる。

「はい、せーのっ」
「………」
「さんはい!」

もう!とハヤトは機嫌を損ねたのか俺の胸をぽかぽかと叩いてきた。那月にも言ったことねぇし、言う必要もないだろ。黙っているとハヤトは顔を急接近してきて頬を両手でぺち、と包む。どうやら意地でも言わせようという魂胆らしい。

「さっちゃんっ」
「はいはい分かった」
「まだなにもいってないよぉ」
「言わなくても分かる」
「ならいって!」

この無駄な攻防は数分に渡り、とうとうハヤトは拗ねてしまうのだった。やっぱりガキはめんどくさくて扱いにくい。でもこのまま嫌われるのもあれだしな。

「…ハヤト」
「…………」
「…好きだ」
「…!」
「って言えばいいんだろ」
「さっちゃんが、でれた!」
「!!?」

おい、どこでそんな言葉覚えてきたんだよ。

〜20120302
ショタに手を出す砂月(ちがう)



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