「うたげ?」
「ああ。」
虎のおっさんが設けてくれるらしいぜ?
お部屋でごろごろ転がってたら政宗様にがしっと捕まって言われた。
真樹緒ですこんばんはー。
もうお外が薄っすら暗いからこんばんは!
「いつ?」
「今夜、な。」
「んんー。」
政宗様が俺のおでこにちゅう。
やぁ、さっきのちゅーは逃げてみたんやけどここはもう俺らのお部屋からええかーとか思ったりして俺も政宗様にぎゅう。
そのままえいやーって体重かけてごろんと転がって政宗様のお腹に乗っかった。
「おっと、」って倒れた政宗様に笑う。
へへー。
しつれー、政宗様。
お腹ちょっとしつれー。
素敵筋肉な政宗様のお腹は久しぶり。
すり、って顔擦り付けたらいつもの政宗様の匂いして幸せです!
「俺もおってええの?」
「当然だろ。」
ゆっきーが走り去って行った後な、すぐにさっちゃんが来たん。
「ごめん旦那何かやらかした?」って。
ものすごい申し訳ない顔されてんけど、どっちかいうたら俺らの方がやらかしたやん?
ほらよそ様のおうちでちゅーとかしてもうて。
やから「何も無いよー」ってさっちゃんに笑って、ついでにお庭の事ごめんなさいしてお部屋に戻ってきた訳です。
あ、さっちゃんはちゃんと許してくれたで!
やっぱり優しいん!
「うたげかー。」
ほんなら今夜宴があるねんて!
うたげ。
そう言えば奥州のお城でも一回やったなぁ。
ほら、俺が来てすぐの時。
もちもちふっくら素敵米を食べたやん。
あれめさめさ美味しかったー。
「ふふー。」
「真樹緒?」
「やぁ、楽しみやなーって。」
宴って皆でご飯食べるんやろう?
おしゃべりとかしながらやぁ。
おやかた様と、ゆっきーと、さっちゃんと。
政宗様とこじゅさん!
楽しみー。
皆でご飯楽しみー。
絶対いっつもよりごはん美味しいで!
政宗様を見下ろしたら頬っぺたうりうりって撫でられた。
それからちゅってちゅうされる。
「あ、」
「Ah?」
「政宗様。」
「どうした。」
「俺、聞きたい事あったん。」
「何だ?」
やあやああのね。
あのね政宗様。
今のちゅうで思いだしたんやけど、政宗様奥州を出発する前俺にちゅうしたやろう?
ぬん。
お口に。
俺、ちょっとびっくりしてね。
ほら初めてやったからお口には。
おでことかほっぺたやったらこうスキンシップやけど、お口ってちょっと特別な感じするやん?
やからどきどきもしたよ。
やからね、聞きたかったん。
「あのちゅうは、何のちゅう?」
政宗様のお腹の上で、政宗様のおでこと俺のおでこをごっつんこ。
とっても近づいた政宗様に教えて、ってお願いする。
なあ政宗様。
ほっぺとかおでことかに政宗様からちゅうされたら俺とっても嬉しい。
政宗様からあったかいのんが流れ込んでくる気がする。
でもお口にちゅうされたらとってもどきどきした。
熱くて熱くてどうにかなってしまいそうやった。
「政宗様。」
教えて。
ほんなら今までちょっぴり驚いた顔してた政宗様が真面目な顔で。
「真樹緒。」
「なん?」
「その意味は、本当に伝えてもいいのか。」
そう言ってぐんって近づいたん。
目の前一杯政宗様で。
お鼻とお鼻がぶつかってしまう。
あんまりにも近すぎて俺は目をぱちぱち。
政宗様が何を言うてるんか分からんくってぱちぱち。
やって、俺が、教えてってゆうてるのに。
「真樹緒。」
俺はな。
お前が大事で、大事で、どうにかなってしまいそうだ。
両手で抱くだけでは足らず、甘い言葉を囁くだけでも足りない。
もう、額や頬に口づけるだけでは足りなくなっている。
お前が特別だという唇は俺にとっても特別だ。
なあsweet、ここに触れる時の俺の思いは一つ。
「まさむねさま…、」
「真樹緒、」
俺はお前を。
「竜の旦那―、宴の準備が整いましたよ、ってちょっと何してんの。」
「あ、さっちゃん。」
「shit、ここまでか。」
「いやいやいや!あんた何してんのちょっと真樹緒もそんなとこに乗って何してんの…!!」
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でも政宗様はまだ伝えるつもりはなかったのであんまり邪魔されたとは思っておりませんぬん。
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