「なるほどのう…」
「ちょ、大将!納得してる場合じゃないですよ。」
ゆっきーが戻ってきてやっとこ皆が勢ぞろいです。
とっても広いお部屋でおやかた様とゆっきーと、さっちゃんと俺。
段々足がしびれてきた感じがしなくもない真樹緒です。
こんばんは!
「…足、ぴりぴりするんー…」
おやかた様のお部屋に入ったらさっちゃんがお茶もってきてくれたん。
ほっかほかの湯気がたつ緑茶。
あったかいお茶が身にしみるー。
「あー」なんて声出してたら「おっさんみたいな声出さないの」ってさっちゃんに笑われた。
ええもん。
俺お茶好きやからええんやもん。
もいっかいずずずってお茶もらってなー、俺が何で甲斐に来たのかお話したのです。
奥州のお城にも松永さんて言う平茸黒たんぽぽが来てお山を爆発させた事。
そのお山には氏政じいちゃんがおった事。
ほんでその平茸黒たんぽぽがお山爆発されたくなかったらこーちゃんをよこせって言うてきた事。
「こーちゃん?」
「うん、こーちゃん。」
「…誰?」
さっちゃんの眉がきゅっと寄った。
うん?
どないしたんさっちゃん。
多分さっちゃん知ってると思うんやけど。
「風魔のこーちゃん…」
知らん?
名前が小太郎やからこーちゃんなん。
かえらしいやろう?
「っ風魔!?」
「なんと…!」
「う?」
さっちゃんとゆっきーがばばっと顔を上げた。
あれ、どうしたん。
何でびっくり?
二人ともこーちゃん知らんかったん?
「真樹緒よ。」
「ぬー?」
おやかた様。
さっちゃんとゆっきーが何やおかしいで。
ちょびっと固まってしまった感じやで。
何でやろう?
正面におるおやかた様に首を傾げてみたら、おやかた様は面白そうに笑ってた。
ぬー?
「風魔小太郎はお主の忍か。」
「はい。」
俺の忍ってゆうか。
とにかく大事な子なんよー。
ずうーっと一緒におろうなーってお約束した仲ってゆうか。
お嫁さんってゆうか。
「え、ちょっと真樹緒。」
「ん?」
「お嫁さんって何。」
あれ、さっちゃんいつの間に。
いつの間に俺の目の前に。
おやかた様が見えへんよ。
ひょい、っておやかた様を覗いたら「余所見しない」っておこられた!
ほんでおやかた様何か笑ってる?
なんで!!
俺よそみしてない…!
「風魔ってあの伝説の忍でしょ?」
「うん?うん。」
そんな事を確か平茸さんも言うてた気がするけど、こーちゃんはこーちゃんやで?
俺の大事なこーちゃん。
たまにカラスのお母さんなこーちゃん。
いっつも俺の近くにおってくれるこーちゃん。
「へぇー…」
ぬん…
どうしたんさっちゃん。
何や空気がどろどろしとるよさっちゃん。
思わず正座したまんま後ずさって、ゆっきーの近くに避難。
ゆっきーの背中に避難。
かんにんおやかた様。
さっちゃんには逆らえない何かを見出してもうてん。
「…ゆっきー。」
「よしよし、」
怖くないでござるよ真樹緒殿。
佐助のあれは嫉ゆえ。
やさしげに俺の頭を撫でてくれるゆっきーは頼もしいやねんけど「そね」って何やろう。
そね。
おね?
やね?
「真樹緒殿はかわいらしいでござるなぁ。」
「おお…!」
俺のおちゃめにゆっきーはにこにこ笑って、ずっと頭を撫でてくれました。
新しい!!
つっこみが無いって新しい!!
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