障子が開いた時にカラスの母さん改め、風魔小太郎さんがちょっとびくっとなったから「大丈夫やで」って頭を撫でた。


あれはな、政宗様とこじゅさんってゆうてお兄さんを助けてくれた人やねんで。
なんも心配する事ないよ。
そう言って撫でた。


「真樹緒、カラスの母さんとやらは目を覚ましたか。」
「ん!」


大丈夫!
血も止まっていい感じ!!
ちょっとまだ頭はぼーっとしてるみたいやけど、結構元気みたいやし。
体が鈍いんはお医者のじっちゃんが針治療したからやろう?
暫くしたら戻るて言うてたしもう大丈夫!!


あ、でも政宗様大事な事言わなあかんねん。
ちょっとお耳貸してんかー。


「Ah?」
「あんな、あんな、」


実はな。
背伸びして政宗様のお耳に手を当てた。
びっくりしやんとってな政宗様。
一大事やで。


「どうした真樹緒。」
あんな、風魔小太郎さんって実はカラスの母さん違ってん。


聞いてみたんやけど思いっきり首振られてやぁ。
どうやらカラスの母さんや無いみたいやで。
こそこそっと耳打ち。
ほんならあのお兄さん一体何者なんやろうねえ?


「……」


……
………


「政宗様?」
だから伝説の忍だって言ってんだろうが。


さっきから。
そう言って政宗様は俺のお耳を引っ張りました。


「ぬん、いたい。」


ええーやって。
それはそうなんやけどそれにしたって。
俺ずっとカー君と風魔の小太郎さんの間には他の誰かが入れやんきずながあると思ってたんやもん。
風魔の小太郎さんが伝説のお忍びさんやってゆうのはしってたもん。
ぶう、ってほっぺたふくらませたら政宗様が大きくため息を吐きましたいやや呆れやんとってちょっとしたおちゃめやん…!


「真樹緒、」
「うぃ?」
「風魔と話がしたい。」


いいか。
って政宗様がちょっと真面目な顔で言う。


うん?
何で?
俺にそんなんゆわんでもどうぞー。
あ、でもちゃんと風魔小太郎さんがええってゆったらな!
まだまだ病み上がりやねんから!


「I see.」


政宗様が俺の髪の毛を混ぜた。
風魔小太郎さんの枕元に座り込んで、こじゅさんもそれに続く。
ちらって見たこじゅさんはいつも通りの顔で、もう怒ってへんと思うんやけどやっぱりちょっと心配。
思わず袖を掴んで引きとめた。


「真樹緒?」
「…こじゅさん。」
「、どうした?」
「……いじめたらあかんよ?」


眉毛を八の字にしてこじゅさんを見上げる。


いじめやんとってな?
風魔小太郎さんって可愛いんやで?
笑ったらちっちゃく笑い返してくれるし、いい子なん。
ほらお名前も可愛いし。
小太郎さん。
俺はこーちゃんってゆう呼び方はどうかなって思ってるん。
こーちゃん。
風魔のこーちゃんってちょっとかわいいなって思って。

やあそれはまた別の話なんやけど。
ぬん、その。
…仲良くしてね?


「こじゅさん、」


そう言うてじーっと見上げる。


「…、いじめねぇよ。」
「ほんま?」
「ああ。」


こじゅさんがちょっと困ったように笑う。
本当にお前は、って笑う。
やあ、俺こじゅさんを困らせたい訳ちがうねんけどな…
ただちょっぴり俺しんぱいで。
目ぇ泳がせたらも一回真樹緒って。


「こじゅさん?」
「心配するな。」


話すだけだ。
そう言って笑ったこじゅさんがものすごい優しかったから俺の力がふって抜けた。
大丈夫。
こじゅさんがちゃんといつものこじゅさんやったから大丈夫。
優しいこじゅさんやったから大丈夫。
ぬん。
俺、ちゃんとここで待ってる!


「政宗様もいじめたらあかんよ!」


叫んだら「All right」って右手を挙げてくれました!


風魔小太郎さん安心してね!
ぬんぬん風魔のこーちゃん安心してね!
二人とも、ほんまは優しいから!


  

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