「かーらーぁすー」


見事女中さんを素敵にかわして(や、ご挨拶はしたけど)青葉山にやってきました。
真樹緒です。
青葉山は天気がよくってめさめさ気持ちがいいのです。
こんな時はおべんと持って皆で遊びに来たいなぁ。
帰ったら政宗様に言うてみよかなー。
薬草ポイントまであとちょびっと。
山をもりもり歩きながら七つの子とか歌ってみてる真樹緒ですこんにちは!


「なぜ鳴くのー」


からすの勝手でしょー…なんてやさぐれてみる。


や、別に疲れとるとか無いんよ。
お城出て30分も経ってへんしね。
ちょっとニヒルな真樹緒君を演出してみただけなん。


やのに何で…


鳥が集まってきてるん…!


何で…!


ギャーァ
ギャーァ



カラスとか山鳥とか何か色々頭にとまってるんやけど…!
肩とかにとまってるんやけど…!
意外にみんな体がおっきいからおもたいんやけど…!


俺、今シータ!!!


助けてパズー!!


いやいやいや。
ほんま何やろう。
山歩いてただけやのに、色んな鳥に宿り木にされてるん何やろう。
何で皆逃げへんの。
俺人間やで。
仲間ちがうよ。


……くるっくー。


ギャーァ
チュンチュン
ギュギュギュ



「…、いや伝われへんよ。


ハトの真似してみたけど俺ハトちがうから。
真似しといてごめんなんやけど。


お前らほんまにどこまでついてくるん。
おっきいのとちっさいの、合わせて10羽ぐらいの鳥さん達を引き連れてっくてっく。
俺の頭に落ち着かんといてぇな、とか思いながらてっくてっく。
やっと薬草探しのポイントに着いたんやけど。


「………、あれ…?」


やぁ、目の前にね。
ああうん普通の山道なんやけど、そこにね。


…えー…


羽ひろげたでっかい黒い鳥が倒れてましたあれなんかあんな光景最近見た気がする。
そういや俺とこじゅさんが初めて出会った時、こじゅさんもあんな感じで倒れてた気がする。
ものすごい見覚えある気がする。
デジャヴ…!!


ぬーん…


まさかカラスの子?
俺が歌ってたから?
歌ってたからおびき出されてもうたとか?
やあでもおっきいよ、あの子。
あの羽俺がひっそり隠れられるぐらいでっかいよ。
普通の鳥とは何か違うよ…!


は!まさかカラスのお母さん…!


子供やなくってカラスのお母さん…!
俺より大きいし政宗様よりも大きいしもしかしたらこじゅさんぐらいはありそうなカラスのお母さん…!
ぬんぬんそうしたら大変やで。
やってカラスのお母さんちっとも動かへんねんもん。
もしかしたら怪我してるんちがうやろうかカラスのお母さん。


そおっと母さん(仮)に近づいて様子を見る。
近づく度に俺の頭やら腕におった鳥さん達がばっさばっさ羽ばたいていくんやけど、でももうちょっと近づいて。


「おーい、カラスのおかーさーん。」


小さく呼んで羽を触ってみる。
怪我とかしてへん?って覗き込んでみたんやけど。


「…………あれ、人?


赤茶色っぽい髪の毛が見えた。
顔の半分は隠れてるけど、ほっぺたが見えた。
よーく見てみると羽の間から立派な手足が見えた。
そしてお腹辺りが赤いです。


「……デジャヴ!!


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倒れてる小太郎さんを発見しました(笑)
さて次は手当てです。
デジャヴ!
そろそろ保護者がやってきます。

  

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