「あ、起きたんお兄ィ。」
「んー。おはよお、ひまちゃん。」
「おはよー。」
下から聞こえたお兄の声にびっくりして、思わずベッドからずり落ちて目が覚めた。
相変わらずお兄の声はよく響くよねー。
俺びっくり。
これ実際お隣さんにも聞こえてるんちがう?
お兄の声が大きくて。
やあはずかしー。
あさっぱから俺寝坊してるんばればれやん。
また真樹緒君寝坊したん?ってお隣のおばちゃんに笑われるやんかお兄どうしてくれるん!
でもそんなんゆうたところで「早く起きやんお前が悪い」って言われるからゆわんけども。
口では勝たれへんからゆわんけども。
「すごい音したねぇ。」
「ベッドからまっさかさまやったん。」
笑うひまちゃんにそうなんお兄の声にびっくりしちゃってーなんてお返事して顔を洗う。
あ、そうそうしょうかいが遅れましたー。
俺加藤真樹緒。
ぴちぴちの16歳やでよろしくね!
何か16歳に見られた事あんまりないけどよろしくね!
こっちのひまちゃんは15歳でやあ、めっちゃ可愛い俺の妹なん。
15歳やのにスタイル抜群なんやで。
身長かって俺より高いん。
これはちょっと悔しいねんけどな、可愛いからええと思うん俺。
「やー、お兄ィ何その髪の毛ぼさぼさやん超可愛い。」
「なにゆうてるんー。」
ひまちゃんの方がかえらしいよー。
とってもかえらしいよー。
俺のご自慢の妹よー。
やあでも、もうちょい制服のスカート長くして欲しいんやけどなーお兄は。
そんな短いスカートお腹冷えるよ。
年頃の女の子がそんな足出したらあかんよ。
ほらひまちゃん、いくらいまどきの女の子やってゆうてもまだまだ中学生やし。
ぬん。
「お兄ィは心配性やなぁ。」
長めのスカート無いん?って聞いてるのに、ひまちゃんは笑いながら俺の寝ぐせを直してるん。
お兄ィはくせっけやからなかなか直らんねぇって言いながら寝ぐせ直してくれてるん。
前からやられたら、ひまちゃんのおっぱいが顔に当たるんやけどなー。
ひまちゃんおっきいねん。
この歳でこない大きかったらもうちょっと犯罪やと思うんよ。
学校とかでほんま大丈夫なん。
お兄心配。
「ひまちゃん、おっぱいあたってるん。」
「当ててるん。」
「お兄としては複雑な気分。」
「可愛いなぁ、お兄は。」
もー。
ひまちゃんったらお話きいてやー。
むう、って膨れたら頭撫でられて終わりやねん。
ちょっとお兄の威厳が無い感じ。
何かひまちゃんがお姉さんな感じ。
ひまちゃんとくっつくんは好きなんやけどな!
あったかいし柔らかいから!
「うちも好きよー。」
「ぬん!」
そんな感じでずっとひまちゃんとイチャイチャしとったら、お兄が洗面所に来てたん。
中々リビングにけえへん俺らにしびれを切らした見たい。
さっさと朝飯を食えって頭を小突かれてしまって。
「早う来い。」
やあやあお兄。
嫉妬は見苦しいで。
いくらひまちゃんといちゃいちゃしてる俺が羨ましいからって見苦しいで。
可愛い弟と妹のじゃれ合いなんやからあったかく見守ってくれると嬉しいんやけど!
「やー、どっちか言うたらうちに嫉妬やんなぁ。」
「んー?」
「ひまわり。」
「おっきいお兄怖いわぁ。」
くふふ、て笑うひまちゃんと眉間に皺寄ったお兄を見比べてたら目が合ったお兄に頭をぐしゃぐしゃにされた。
何やのー。
せっかくひまちゃんにやってもろたのにー。
「早う朝飯を食え。」
「あ、そうやお兄学校遅れてしまうよ。」
「やぁいそがなひまちゃん!」
ちょっと乱れてもうた髪の毛を手で直して台所に行く。
ばたばた走ってお兄ィに走るな!って怒られて。
それでも止まれやんとついた台所ではとってもいい匂いをさせて朝ごはんが俺を待ってました!
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