政宗様とくっついてな、いもむしみたいになってたらな、めっさ眠たなってきたん。
政宗様の素敵筋肉がねえ、ちょうぬくぬくで。
おっきな政宗様の腕に包まれて体もぽかぽか。
まぶたがゆっくりしっかり重くなってくるのは仕方がないと思います。
真樹緒ですこんばんは!

政宗様の素敵筋肉はほんまにぬくくてほかほなん。
あー幸せって顔擦り付けたら頭の上で政宗様の息がもれた。

んん?
笑ってる?


「…なぁ、政宗様―」
「どうした。」
「ねむい…」
「寝ろよ。」


半分寝そうな目で見上げたら笑いながら背中をとんとん叩かれた。
そうら寝ろ寝ろって面白そうに叩かれた。
それからゆっくり撫でれて俺はもっとまぶたが重たくなる。
今にも眠ってしまいそう。


「やって、もったいない…」


せっかく政宗様と一緒やのに。
このまま寝てしまったら何やもったいない感じしやん?
もっと沢山お話したいなって思わん?
ほらお昼会えやんかったやろう?
やからね、お話したい俺。
ぬん、お話したいんやけど、でも、もうまぶた閉じそう。
とっても眠い。


「真樹緒?」
「んんー…」


政宗様が頭撫でて。
わさわさ撫でて。
やあ何か懐かしい感じがして俺の口元がゆるむ。

こじゅさんと洞窟でおった時もこんな感じやったなぁ。
とっても寒かったからこじゅさんのお腹にぺそっとくっついて暖取ったんやっけ。


「Ah?」
「…うん?」
「真樹緒、」
「ぬー?」
「どういう事だ。」
「へ?なにが?」


なに。
どうしたん。
政宗様が寝ろってゆうてくれたんやん。
やあお話しようってゆうたん俺やけど。
でもやっぱり俺ねむくて。
そのまま後もうちょっと目とじてたら夢の中やったのに、起きろ、って俺の肩を揺する政宗様の顔はこれから寝るとは思えやんぐらい目をぱっちり開いて何だかとっても鬼みたいでした政宗様何その顔ちょうこわい。


「何が懐かしいって?」
「やからこじゅさんと洞窟でぎゅーってしながら寝たこと。」


今みたいに。
今の政宗様と俺みたいに寝たん。
やって俺らがおった洞窟ね、夜きたらちょう寒かったんやで。
そんな寒い所でおったらこごえてしまうやん?
やから俺、寝てるこじゅさんのお腹にくっついて寝たん。
とってもあったかかったで!
こじゅさんも素敵筋肉…!


「…………小十郎。
「…不可抗力にございます。
「あれ?こじゅさん?」


おったん?
どっから!?
どこからともなく聞こえて来た声にうとうとしてた俺の目がぱっちり覚める。
さっきまでの眠気がどこかに飛んで行ってしまう。

こじゅさんどこ?
きょろきょろしておふとんから起きあがったら政宗様のお部屋の扉に影が映ってたんどうやらこじゅさんはずっと政宗様の部屋の前に控えてたみたいです!
気づかんかった!
俺全然気づかんかった!


は!
「真樹緒?」


でもこれはこじゅさんをここに呼ぶしか無いんちがう?
こじゅさんがおるんやったらお部屋にお誘いするしかないんちがう?
やって皆でお泊り絶対楽しいと思うんやるっきゃないと思うん。
三人で川の字なったりして。
ちょっと夜更かししてお話とかしてやぁ、まるで修学旅行気分!!


「政宗様!」
「…どうした。」
「こじゅさんも一緒に寝よう。」
「Ah―?」


やってやぁ。
皆で寝たほうが楽しいと思うん。
二人より三人の方が楽しいと思うん。
ここ広いし布団まだ十分しけるよ?
俺三人で川の字やりたい!!


川の字…
「またお前は変な事を、」
「あかん?」


俺川の字やってみたいん。
政宗様と、こじゅさんと、俺と。
ここにおシゲちゃんもおったら四人やけどー。
それも楽しそうよね!
川ちがうけど楽しそうよね!

やあけどおシゲちゃんはどこにおるか分からんしー。
もしかしたらもう寝てしまってるかもしれやんしー。
それやったらわざわざ起こすのももうしわけないしー。
やからね、三人でするん。
川の字。


政宗様のねまきを引っ張ってお願い。
俺みんなで一緒がいいってちゃんと政宗様の目を見て。
そしたら政宗様が何か考えたふうで。

黙ったまま俺を見て、扉の向こうのこじゅさんの方を見て、また俺を見た。
それからちょっとの間目を閉じる。


「政宗様。」
「全く、」
「ぬ?」
「全くお前にかかると俺は甘くていけねぇな。」
「!政宗様!」


ってゆう事は。
そんな笑ってるってゆう事は。


「小十郎、来い。」
「ですが政宗様、」
「いい。」


やろうじゃねぇか川の字でも何でもよ、って政宗様が笑う。


「ぬん!」


やった川の字!
みんなで川の字!
夢の川の字!
そうと決まったらこじゅさん早く!!
早く!


「真樹緒…」


こじゅさんがそろりと部屋に入ってきておふとんを用意する。
困ったような顔で、でも笑いながら。

俺はとっても嬉しくてお手伝い。
こじゅさんと一緒に川の字が嬉しくってお手伝い。



俺も夜着を運んでね、手伝ったん。
こじゅさんは背が高いから大きいのがいるやん?
ほら寒いから足出たらあかんし。
冷えって何でもかんでもさきっぽからくるから!
ひまちゃんが冷え症は女の子の敵なんやでってゆうてたから。
気をつけないとね!


三つ並んでる布団を見てにまにま笑ってたら「寝るぞ」って政宗様に呼ばれた。
おっけーおっけー。
寝ましょー。
川の字で寝ましょー。


「あれ、政宗様そこちがうよ。」
「Ah?」


ちがうちがう。
政宗様はそこちがうよ!


「真樹緒?」
「政宗様は真ん中!!」


やって大事なお殿様やもん。
こじゅさんのご主人様やもん。
俺の大事な人やもん。
いざとなったら俺とこじゅさんで政宗様守らなあかんやん!


「やから政宗様は真ん中やで。」


俺とこじゅさんが挟むから安心して。
危険があっても俺がおるから安心して。
こじゅさんもおるから安心して。
ぶいってピースしたら一瞬政宗様がびっくりした様な顔してしまって。


「ぬ?」


あれ?
俺、変な事言うた?
うんん?
こじゅさん、政宗様なんかおかしいってその後ろに立ってるこじゅさんも見たら何かすごい優しそうな顔で笑ってるん


えええー。
なに。
ほんま何。
ちょびっと恥ずかしい。
何か恥ずかしい。
理由も無く俺はずかしい…!


しばらく誰も何もしゃべらんまんま沈黙が続いて俺がそわそわもぞもぞし始めた時。


「真樹緒。」
「わ!」
「お前は本当に…この野郎が…」


いつの間にか目の前にきてた政宗様にやんわり、でも次の瞬間にはおもいっきりのぎゅうに捕まった。
やあ政宗様突然どうしたん。
びっくりするやん三人で寝るんちがうん早くおふとんの中に入ろう。
言いながら背中をたたいても全然離してくれやんくって俺はきょとん。
政宗様?ってちっちゃい声で呼んだら耳元にちゅってちゅうをされる。
それ以上何も言えやんふんいきやったから俺が政宗様にしがみついて。



「へんな政宗様。」



更に強くなった腕はちょっと苦しかったけど政宗様にくっついてるんが嬉しかったから俺はそのままゆっくり目を閉じた。


おやすみ政宗様。
おやすみこじゅさん。
今日はとってもいろんな事があったけど、それに負けやんくらいのいい夢が見れたらいいな。

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三人兄弟の真ん中なので、ちょっとお兄ちゃんぞくせいも持っていたらいいなと思いますキネマ主。
ゆうせんじゅんいはまずじぶんいがい。
でも弟でもあるので甘ったれ。
いざという時には火事場の馬鹿力が発揮されたらいいのにな。(がんぼう)

  

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