「でも何でがいこつなんやろうね。」
「(?)」
「…こーちゃんの肩にちょん。」
「(?)」
「(ふよ?)」
「かわいい…!」
ぬーん。
こーちゃんとがいこつのツーショットちょうかわいい。
このがいこつがちょっぴりファンシーやからやろうかこーちゃんがファンシーやからやろうかもうどっちでもいいけどちょうかわいい…!
二人で首かしげてるとこちょうかわいい!
やあ携帯持ってたらぱちっと写メ撮るのになー。
俺の携帯今や懐かしの奥州のお城やからなー。
……
………
「おいあれァ使い方あれであってんのか。」
「合ってる訳無いでしょうよ。」
まあこれ以上何もないならあのままでいいんですよ。
忍の肩に乗せようが真樹緒の頭に乗せようが。
ただの保険なんですから。
「保険?」
「あれは鎧。」
一度だけですがあれの身を守ってくれるでしょう。
忍がついている今無用な事かもしれませんが。
「くく…」
「…何です、」
「いやァ立派なかーちゃんだと思ってよ。」
ちィーと過保護だけどなあ。
「………何を今更。」
下らない事を言っていないで手を動かしたらどうです。
あのサンデーだか何だかを坊やが相手している内にこの辺りを掃除をしてしまわなければ。
流石に坊やだけでは少し荷が、
「にてんいちりゅう!」
「…」
「…」
……
………
「は、?」
「あ、?」
「ぬ?」
あれ?
あの声むさし君?
下から聞こえて来た声に聞きおぼえがあって下を見下ろした。
そしたら何だか下はさっきまでおった沢山の人がばったばった倒れててもう立ってるのはちかちゃんと明智の光秀さんと元就様と、それからむさし君で。
ぬん、そうむさし君で。
そのむさし君が。
「ひっさつふくろだたき!」
目の前の元就様を言葉どおりふくろだたきに。
元就様多分ガードしてるけどふくろだたきに。
ふくろだたきってゆうか反撃する間も無いくらいいっしんふらんにむさし君が元就様をぼこぼこにしてましたあれ元就様大丈夫なん…!
「えええまじでむさし君!」
さっきもびっくりしたけどまじでむさし君。
元就様に突進していった時も思ったけどまじでむさし君。
「タクティシャーン!」
なんてヒドイ人タチ!
もうザビー怒ったヨー!
「おれさまさいきょう!」
「ぬーん!」
どこからか聞こえて来たザビーさんの声もなんのその、最後の一発とばかりに思いっきりあの船のオールを投げてむさし君が天井を見上げた。
元就様のお顔は見えやんけどうつぶせに倒れてて。
ぬん…そりゃあね、むさし君からね、あんだけぽこぽこ殴られたらね、とても立ってられやんと思うんやけども。
「おい真樹緒!」
「ぬ?」
「みてたか真樹緒!」
「むさし君!」
「おれさまのかちだ!」
さすがおれさま!
俺を見上げてむさし君が笑う。
手に持ってた方のオールをぶんぶん振りまわして笑う。
「さいきょうだったろ!」
俺はむさし君が俺に気ついてたことにびっくりして目をぱちぱち。
元就様をやっつけたむさし君にもびっくりしたけど、俺に気付いてたむさし君にびっくりして目をぱちぱち。
でも気ついてくれてたのがうれしくてほっぺたがあったかくなる。
ぬん。
むさし君、俺おったん知ってたん!
うれしい!
こーちゃんを見て。
がいこつを見て。
に、って笑ってむさし君を見た。
「ちょうかっこよかった!むさし君すごい!」
「あったりめーだー!」
おら真樹緒!
もうしたはあんぜんだからおりてこい!
うけとめてやっからとびおりろ!
「えー、でもちょっと高すぎやないー?」
俺こーちゃんにおろしてもらおーと思ってたんやけど。
ほらこーちゃんやったらお忍びさんやししゅぱっとひとっとびやし。
「ね?」
「(こくり)」
「(ふよふよ)」
ほらこーちゃんもがいこつもそうゆうてるし!
やあやあむさし君はそこで待っててー。
ちょっと待っててー。
すぐに下りるからー。
それから感動の再会しようね!
むさし君に手を振ってこーちゃんの手を握る。
よろしくね、の合図やってんけど。
「……」
そんなもんまってられっか。
「へ?」
「おれさまさいきょう!」
ドンッ!
「(!?)」
「(ふよ?)」
「ぬ?」
どん、って音がした後すぐに足元がゆれた。
あれここ天井のはりやのに、って思ってたらバランス取るのを忘れて体がぐらり。
簡単に足元がずれてはりを踏み外す。
伸ばした腕は何のてごたえもなくって空をきって。
天井近くにおったのに天井が見えた。
びっくりしたこーちゃんも見えてそこでやっと落ちてる事に気がついて。
「お、落ちるん―!」
ぎゅって目をつむった。
じたばたしてるよりはじっとしてた方が落ちた時痛くないかなって思って体を丸めてみる。
むさし君何したん!って思ったけど今はそれどころやなくて。
俺おちてるし!
地面に直撃やし!
「もうむさし君のばかー!」
「あん?なんでおれさまがばかなんだよ。」
……
………
「……ぬ?」
「うけとめてやるっつっただろ。」
おれさまににごんはねー!
「むさし君…!」
地面にぶつかるとおもいきや。
そのままべちーん!って落ちてしまうと思いきや。
その直前にむさし君が受け止めてくれてましたぬーんびっくりした俺!
丸っこくなった俺の体はむさし君の腕の中にすっぽり。
どっこも痛くなくって辺りをきょろきょろ。
そこはやっぱり地面でも何でもなくてむさし君の腕の中。
ちょっぴり涙目で見上げたらにかって笑うむさし君と目が合う。
「な!」
「もー…びっくりしたやんかー。」
そりゃあむさし君の事信じてへんわけやなかったけど!
俺こーちゃんと下りるってゆうたのに。
すぐやから待っててくれたらよかったのに。
「そんなもんまってられっかー!」
「うわあ!」
ぷん!ってほっぺた膨らましたらむさし君が俺をかつぎなおして走り出した。
かたて…!
それから落ちてた船のオール(ぬーんむさし君の武器よね!)を拾って全速力。
えええむさし君おろしてくれやんの。
このまま走っていくんちょっと待って。
俺自分で歩けるよ。
普通に歩けるよ。
ぬん!あるく!
むさし君下ろして!
やって明智の光秀さんとも感動の再会してへんねんでまだ!
「はしんねーとつかまっちまうだろ。」
……
………
「ぬ?」
だれに?
「おしのびに。」
「おしのび…」
こーちゃん?
首をかしげてむさし君の背中をひょいって覗いて見る。
何でこーちゃん?って思いながらも覗いて見る。
そしたらそこにはがいこつ頭に乗せて猛スピードで俺らを追い掛けてくるこーちゃんが。
なんかもー足元見えやんぐらいの速さのこーちゃんが。
「(しゅばばばばばば!)」
クナイ持って追い掛けて来るこーちゃんが。
「え、なにこのじょうきょう。」
あれ感動の再会やなかったっけ。
むさし君と俺とちかちゃんとこーちゃんと明智の光秀さんとの素敵な再会やなかったっけ。
元就様とも会えて一件落着やなかったっけ。
それやのに何でおいかけっこ始まってるんまじで…!
「ぬーん!むさし君はやいー!」
「まかせろおれさまさいきょう!」
「(しゅっしゅっしゅ!)」
……
………
「やりやァがったぜ。」
すげーなお前んとこの。
あの毛利を撃破しちまった。
後で褒めてやれよかーちゃん。
「…そうですねえ。」
誰が誰のかーちゃんですか。
毛利をあそこまで追い詰めたのは良しとしてその後真樹緒を梁から落としたので相殺ですよ受け止めたからよかったものの。
「…」
「…」
止めねえのか。
何をですか。
坊やの息の根ですか。
「だから褒めてやれって。」
「お黙りなさいよ鬼。」
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やっとサンデー撃破ですサンデー全然全く出てきてないけれど!
元就様とおしゃべりするのはこの後なのでご容赦下さいませ。
この後もうちょっとザビー城です。
一応ザビー城まで来たのでザビーさん撃破しとかないと。
という事で元就様とキネマ主とがいこつさんと小太郎さんを置いてとりあえずその他はザビーさん撃破に向かいます。
そこらへんはさくさく行きますさくさく。
メインは元就様とここで仲良くなる事なので!
それにしてもニルのむさし君はキネマ主の事が好きすぎですねどうしましょう。
いえわたしむさし君好きだから書いていて楽しいのですけれど!
この分だとちゃっかり甲斐まで一緒についてきそうですね。
政宗様との再会が楽しみです。
さてさて。
四章は元就さんをお助けして、四国へ戻って、そこでちょっと宴会して(第二回ちゅー魔…!)キネマ主を甲斐までお届けして終わりです。
間章ではまったり奥州で政宗様とらぶらぶしたい。
うーん早く再会させてあげたいです。
元親さんや毛利さんも一緒に来るのでみんなでワイワイ遊べたらいいな。
政宗様の知らない内にお友達が増えたのできっとみんなびっくりしますね。
ではでは本日はこれにて失礼します。
ドラマチックキネマ、実はキネマ主天下統一なんだろうか。
あの子いろいろ流されているだけなんだけれど!
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